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ツルンとした世界『アフターヤン』
西洋の目から見た「アジア」演出ではない。多分これが現代アジア人のみている世界。
光といい小物といいカメラの位置といいセリフのゆっくりさといい。ポスターの虹とか。。うわああ。でしょ?
いきなり冒頭のファミリーTiktok風ダンスはなんなんだ?!
これを最初に見せられたら、「この映画はおもしろい。。」って思うでしょ?最初のつかみが最高なんだわ。
お茶、蝶々、装飾に見る盆栽。。などいやはや、これはやりすぎじゃねーかとも思うほど。Sousou とか小林聡美とか、MUJIとかああゆう感じ。ママの服装もユニクロモデルかよ?みたいな。
Yangの記憶の断片が物語を作る。
ロボット、クローン、そして一番uncertain な人間。
しかしね。この俳優さんみんなの歩き方やたたずまいをみてほしい。特に女の子。の歩き方。これはアメリカの小学生というよりも、まだまだアジアの家庭で育ってるアメリカの子だなぁと思わせる歩き方。
コリン・ファースもアラン島でビール飲んでロバと遊んでるあのキャラから一転(こっちのほうが早いか)物静かな、茶葉親父。
静かで美しいアジア。
ただ、自分の養子の娘がアジア系だからってロボットにアジア系を選ぶっていう発想がわからない。 ロボットの意志でもなさそうだし。
多分これは子供にとってはかなり迷惑じゃないかと思える設定。自分が養子で自分の親の子だと思いたいのになんなんだこのバイアスは?
映画の中ではアジアではなくチャイニーズという言葉を使っていた。それも実は引っかかったのよね。
あとパパの頑なさもどうなんだ?とさえ感じてしまう。
お茶屋をしてたりやっぱり自分がアジアファンとして一つのチョイスだけのアジアなんだなぁと。ファッションとしてのアジアっぽい軽さを感じられずにはいられなかった。。飽きたら捨てられそう。やっぱりアジア人飽きた。。。とかそんな。
逆にすべてのRaceの特徴をなくさせた『ツルン』としたユニバーサルデザインな映画でもあるのです。
そうあの、無印とかユニクロがなぜ世界展開してるか?あれにはエスニックが何もないから。
ユニバーサルを突き詰めれば至極つまらないものになるんですね。その先をちらっと見せてくれた映画でした。
近未来的なのか。(女の子が注ぐあの牛乳パックなんですか!あのデザインの美しさ目を見張りますね)
この『ツルン』とした感覚がずっと続くんですよ。西洋目からしたらかなり新しくて禅で心が落ち着くのかもしれません。ただ、実際この家族にはアジア映画でよく出てくる、おじいちゃんおばあちゃんの存在もないですし、か家族観さえつるんとしてるんですよ。
みんながアジアになることないし。
もうぶつかり合いをすることをやめた段階なのかなぁ。私はこっちの設定ばかりが気になりました。お話はロボットの記憶を辿っていくというなんともおぼろげな感覚が続きます。ただ、それが切なくて。デジタルなんだけど切なさを出してるというか。。
ココナダ監督は韓国系米国人ということでとても気になる方。
そして坂本龍一の音楽が切ない。
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