失敗しないためのアルコール広告ルールブック
では前回は、なぜJLOのインスタが日本とフランスでは同じマダムフィガロはでも論調が違うかをご説明しましたが、今日はエヴァン法とは一体何かをご説明します。
エヴァン法とは
LOI EVIN (ロワ・エヴァン) エヴァン法は、フランスでアルコール関連の広告に対して厳しい規制法のことをさします。これは、未成年者の飲酒問題や社会的な健康リスクを抑制するために作られた法律です。未成年者へのアルコールの販売や提供を禁止することで、彼らの健康と福祉を保護しようという意図があります。
さらに、アルコール飲料の広告においては、誇大広告や偽りの情報を禁止。これにより、消費者は正確な情報を得ることができ、酒の魅力を過剰に誇張されることなく判断することができます。
また、スポーツイベントや文化イベントへのアルコールスポンサーシップも制限されています。これは、若い観客や参加者に対してアルコールが連想されるような環境を抑制し、飲酒と健康な生活の関連性を慎重に扱おうという考えに基づいています。
さらに、アルコール飲料の価格や数量に関する宣伝も制約があります。これにより、消費者は経済的な誘惑に惑わされることなく、自身の飲酒行動を適切に管理できるようになります。
また、アルコール飲料と危険な活動(自動車の運転や危険な機械操作など)を関連付けた広告も禁止されています。これは、アルコールと危険な行為の結びつきを避け、公共の安全を確保するための措置です。
エヴァン法は具体的には以下のようなNG事項が設けられています。
ジュースと間違うようなパッケージはNG
特に未成年者を対象とした扇動的な内容を含んではならない: 未成年が思わず手に取りそうな可愛いイラストのパッケージなど、未成年者を引きつけるような要素が含まれている広告は禁止されています。
お酒を飲めばセクシーになれるや成功者になれるようなイメージはNG
セクシュアリティ、スポーツ、仕事、自動車について言及してはならない: 広告でアルコール飲料を消費することでセクシーになったり、恋愛が成就したり、夫婦関係が改善するなどのイメージを与えることは禁止されています。また、スポーツや仕事、自動車などの要素と結びつけてアルコール飲料を宣伝することも禁止されています。
有名人のコマーシャルはNG!酒造関係者はOK
アルコール飲料の製造・販売に関係のない活動に著名人を使用してはならない: 広告で著名人を使用する場合でも、その著名人がアルコール飲料の製造や販売と直接的な関係を持っている必要があれば大丈夫(オーナーの場合など)。。ただ、会社とは無関係な社会的成功者とされるハリウッド俳優などが、アルコール飲料の広告に登場することは禁止されています。
どうでしたか?フランスのアルコール広告禁止時事項。あれもあれもあれもフランス的にはアウトなのです。もちろんフランス以外では大丈夫なのでご安心ください。
もちろん日本とは違う
少しびっくりなさいましたか?フランスってアルコールの国のイメージがあるのですが以外にもかなり広告が規制されているということがわかっていただけたでしょうか?一方日本はというと業界の自主規制があります。
内容に関しては酒類業9団体(日本酒造組合中央会、日本蒸留酒酒造組合、ビール酒造組合、日本洋酒酒造組合、日本ワイナリー協会、全国卸売酒販組合中央会、全国小売酒販組合中央会、日本洋酒輸入協会、全国地ビール醸造者協議会)で作成した酒類の広告宣伝に関する自主基準がありますが、
25歳以下のタレントは使わないというのが一番大きいようですね。20歳も25歳も私にとってはあまり変わりはないのですが(笑)極力だとかそういう言葉遣いが曖昧な気がします。
このように全世界的でアルコール販売の広告規制が厳しくなってきていることを踏まえて広告術が巧みになっていくことは確かです。また、そういう事情も踏まえて世界的なNOLOブームも無視できない現象になっていくのではないでしょうか。
私がこのような広告規制に興味をもったのはフランスのアルコール広告が日本と比べて表現がおとなしいなぁと思ったからなのです。また、みなさんも色んな国に行かれた時にその国のアルコール広告のどぎつさを比べて見てください。色々な発見があると思います。
では次回はちょっとわかりにくいSNS広告についてのお話をしますね。
なんとも古き良き時代のサントリー。(サントリーウイスキー100周年記念ソフィア・コッポラ)