ラストタンゴ・イン・パリをパリでもっかいみてみる
若い時に見たのと今見たのとでは全然イメージが違ってて感動した。こういう映画は多い。
もうこの映画ができて、50年も経った。しかし、ファッションなど今ちょうど流行りが来ている。めちゃくちゃクールな服装をしているので、これも見逃すわけにはいかない。
最初のタイトルからしてワクワクする。フランシス・ベーコンの絵。今でこそもう現代アートの巨人になったけど、当時はまだまだ売り出し中だったのではないだろうか。私は現代美術とか別に知らないけど、この人の絵がムートン・ロートシルトのエチケットに選ばれたことで名前を覚えている。
まずパリの街の綺麗さ。最初に出てくるビラケム橋はもう今や観光客でいっぱい。みんなインスタで有名になろうとする若い子達がビデオを撮っている。当時はあんなフーテンが2人が出会う町外れの橋だった。
今でもあの橋の上を10番線のメトロが通っているのも見てね。
彼女は手塚治虫のバルボラまんま。
アーティストのミューズであり、そして気まぐれ。多分、手塚先生は彼女をモデルにしたんじゃないかな。どっちが先でもあとでもあの頃の自由な女性の象徴だったのだろう。もしくはその頃70年代のアーティストたちの憧れの存在を具現化したら、あんな感じになっちゃったのかもしれない。
そしてトリフォー似のジャン・ピエールレオの変態さ加減にもコミカルに色を添えている。トリフォー似はこういう役が多いので、いきなり彼の映画が切り取ってこの映画に入っているのかと思った。とても楽しそうにこの役をしている彼を見ると自分の映画よりもずっと面白かったんじゃないかな。
物語は普遍的だ。
普遍的なものこそ、アートになるうる・・これは多分岡本太郎の言葉。私の言葉じゃないです。いや、アートこそ普遍的なものなのか?
妻を失ったアメリカ男。異国のパリで何も頼るものがない。そして若さだけがはじけている女。
見失った関係から始まった恋愛はどちらかが覚醒するともう終わりを告げる。
見終わった晩、ちょうど外で人に会う用事があったのでモンパルナスのクーポラのブラセリを見てみたかったので。ちょっと興味本位に待ち合わせをクーポールにした。
地下のトイレ横があのダンスホールになる。
1回は改装され綺麗になったな。地下はそのまんまだった。ギャルソン(今はおきゅうじさんのことをギャルそうなんて、呼んではいけないけどね)に聞くとイベントでしか開かないそう。あのフランスを代表する成就映画『ラ・ブーム』のシーンもここで撮影されたともWikiには書いてあった。
是非ともパリに旅行の際は、この映画をおすすめ。パッシーの下のカフェの看板はまだ残っています。そしてクーポールに行ってコーヒーではなくバーボンを
70年代のパリを想像しながら、2020年代の喧騒は世知辛い。。