軽度認知障害患者の異常な歩行イメージと脳灰白質量の関連性
▼ 文献情報 と 抄録和訳
軽度認知障害患者の異常な歩行イメージと脳灰白質量の関連性ー横断的研究の結果
[ハイパーリンク] DOI, PubMed(Full text), Google Scholar
[概要]
軽度認知障害(MCI)の人は、認知健常者(CHI)に比べて歩行パフォーマンスが悪い。TUGデルタタイムと呼ばれる、イメージと実行されたタイムドアップ&ゴーテスト(TUG)の不一致は、MCI患者の脳の歩行制御障害のマーカーとなる。本研究では、CHIおよびMCI患者におけるTUGデルタタイムと脳の灰白質(GM)体積との関連を調べることを目的とした。本横断研究では、TUGデルタ時間と脳T1強調MRI(磁気共鳴画像)を有するCHI患者156名とMCI患者170名の計326名を抽出した。MCI患者はCHI患者に比べて年齢が高く、TUGおよびTUG delta timeのパフォーマンスが高かった(すなわち、パフォーマンスが最も悪かった)。TUGデルタタイムの増加は局所的なGMボリュームの減少と関連すると仮定して、TUGデルタタイムとGMボリュームの関連性をCHIとMCIで検討した。CHIでは有意な関連性は見られなかったが、MCIの人ではTUGデルタタイムは右内側側頭葉のGM体積と負の関連性が見られた。
▼ So What?:何が面白いと感じたか?
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✅まず、imagined timed up and go test(iTUG)とは何か。
方法は、他の運動イメージ能力の評価と比較しかなり簡便だ。運動イメージ能力には特異性があるから、万能な評価という訳ではないが、こと歩行に対する運動イメージ能力を評価するには、かなり臨床応用しやすい評価方法といえる。
今回は軽度認知障害患者を対象としているが、脳卒中患者、頚部骨折患者などにおいても、歩行に対する運動イメージのズレが生じていると感じることはよくある。iTUGという評価で、こうしたズレをある程度正確に評価し、治療に繋げていけると面白いなと感じた。
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最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。
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