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軽度認知障害患者の異常な歩行イメージと脳灰白質量の関連性

▼ 文献情報 と 抄録和訳

軽度認知障害患者の異常な歩行イメージと脳灰白質量の関連性ー横断的研究の結果

Beauchet O, Montembeault M, Allali G. Brain Gray Matter Volume Associations With Abnormal Gait Imagery in Patients With Mild Cognitive Impairment: Results of a Cross-Sectional Study. Front Aging Neurosci. 2020 Jan 21;11:364.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed(Full text), Google Scholar

✅ メインアウトカム
iTUGのスコアと脳灰白質体積は、負の相関がある

[概要]
軽度認知障害(MCI)の人は、認知健常者(CHI)に比べて歩行パフォーマンスが悪い。TUGデルタタイムと呼ばれる、イメージと実行されたタイムドアップ&ゴーテスト(TUG)の不一致は、MCI患者の脳の歩行制御障害のマーカーとなる。本研究では、CHIおよびMCI患者におけるTUGデルタタイムと脳の灰白質(GM)体積との関連を調べることを目的とした。本横断研究では、TUGデルタ時間と脳T1強調MRI(磁気共鳴画像)を有するCHI患者156名とMCI患者170名の計326名を抽出した。MCI患者はCHI患者に比べて年齢が高く、TUGおよびTUG delta timeのパフォーマンスが高かった(すなわち、パフォーマンスが最も悪かった)。TUGデルタタイムの増加は局所的なGMボリュームの減少と関連すると仮定して、TUGデルタタイムとGMボリュームの関連性をCHIとMCIで検討した。CHIでは有意な関連性は見られなかったが、MCIの人ではTUGデルタタイムは右内側側頭葉のGM体積と負の関連性が見られた。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

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✅まず、imagined timed up and go test(iTUG)とは何か。

✓通常のTUGを一度行う(TUG)
✓TUGの開始肢位に戻り、自身がTUGをしている様子をイメージしてもらう(iTUG)
✓以下の方法で、TUGデルタタイムを算出する
 (TUG−iTUG) /(TUG+iTUG /2)]×100

Beauchet O, Annweiler C, Assal F, Bridenbaugh S, Herrmann FR, Kressig RW, Allali G. Imagined Timed Up & Go test: a new tool to assess higher-level gait and balance disorders in older adults? J Neurol Sci. 2010 Jul 15;294(1-2):102-6.

方法は、他の運動イメージ能力の評価と比較しかなり簡便だ。運動イメージ能力には特異性があるから、万能な評価という訳ではないが、こと歩行に対する運動イメージ能力を評価するには、かなり臨床応用しやすい評価方法といえる。

今回は軽度認知障害患者を対象としているが、脳卒中患者、頚部骨折患者などにおいても、歩行に対する運動イメージのズレが生じていると感じることはよくある。iTUGという評価で、こうしたズレをある程度正確に評価し、治療に繋げていけると面白いなと感じた。

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最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。

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