【英論抄読】脳卒中患者の地域歩行獲得を予測する、入院時のBBSのカットオフ値は??
📖 文献情報 と 抄録和訳
入院時のBerg Balance Scaleスコアは、入院中の脳卒中リハビリテーションから退院する際の地域歩行に適した歩行を予測することができる
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💡ポイント
📚 概要
[目的]
このレトロスペクティブコホート研究は、退院時の歩行能力を予測する入院患者のリハビリテーション変数と、歩行の改善度合いを予測するBerg Balance Scaleのカットオフスコアを確立することを目的とした。
[方法]
参加者(n=123)は、入院中の脳卒中リハビリテーションへの入院時に、様々な認知的・身体的アウトカムについて評価された。多変量ロジスティック回帰により、4週間後に地域歩行(歩行速度0.8m/s以上)または非介助歩行(身体的補助なし)を回復する入院時予測因子が同定された。Receiver Operating Characteristic Curve分析により、Berg Balance Scaleスコアのカットオフ値を同定した。
[結果]
Mini-Mental State Examination(オッズ比(OR)1.60,95%信頼区間(95%CI)1.19-2.14)は,地域歩行速度回復の入院時歩行速度と組み合わせた場合に有意な予測因子となった。脳卒中のタイプ(出血性/虚血性)はBerg Balance Scale(OR1.14,95%CI1.09-1.20)と組み合わせると有意な予測因子(OR0.19,95%CI0.05-0.77)であった。Berg Balance Scaleのみが補助なし歩行回復の有意な予測因子であった(OR 1.11, 95% CI 1.05-1.17)。入院時のBerg Balance Scaleのカットオフスコアが29であれば、地域歩行速度を達成することが予測できる(n=123、曲線下面積(AUC)=0.88、95%CI 0.81-0.95);カットオフスコア12であれば、非歩行者が補助なし歩行速度を取り戻すことが予測できる(n=84、AUC 0.73、95%CI 0.62-0.84)。
[結論]
Berg Balance Scaleは、リハビリテーション入院時に、脳卒中患者の歩行の改善度を予測するために用いることができる。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
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結果・結論が明快で面白い。今回は入院時のBBSスコアという点がミソであろう。皆さんは、カットオフ値が29点と聞いて、どう感じるだろう。
私は普段運動器を中心に担当しているためあまりテキトーなことは言えないが、結構希望のある得点ではないだろうか。
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医療従事者における道徳感についても記事にしていますので良かったら読んで頂けると嬉しいです。
最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。
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