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【英論抄読】中国人における脆弱性股関節骨折後の1年生存率に関する予後モデルの開発

📖 文献情報 と 抄録和訳

中国人における脆弱性股関節骨折後の1年生存率に関する予後モデルの開発

Fu H, Liang B, Qin W, Qiao X, Liu Q. Development of a prognostic model for 1-year survival after fragile hip fracture in Chinese. J Orthop Surg Res. 2021 Nov 27;16(1):695.

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DOI, PubMed(Full text), Google Scholar

📚 概要

[背景]
アジア人に対する脆弱性股関節骨折の生存予後予測モデルは開発されていない。本研究の目的は、アジア人における脆弱性股関節骨折後1年以内の生存を予測するためのシンプルで実用的な予後予測モデルを開発することである。

[方法]
単一施設の後方視的コホート研究を計画した。多変量Cox比例ハザード回帰モデルのもと、患者の術前特性を用いて股関節骨折後1年以内の生存率を予測した。フルモデルを構築した後、最小絶対縮小選択演算子(LASSO)法を用いてモデル係数をさらに縮小し、変数スクリーニングを実現した。最終的に、LASSOモデルを得ることができた。モデルの性能は,NagelkerkeのR2とconcordance(c)統計量によって評価した.内部妥当性については、1,000回繰り返しのブートストラップ法により評価した。

[結果]
2015年1月から2020年12月までに股関節骨折で当科に入院した対象患者は合計735名であったが,11名(1.5%)が追跡調査不能となった。残りの患者のうち、68名(9.3%)が股関節骨折後1年以内に死亡した。患者の術前特性から12の予測因子候補を同定した。最終的に,手術,年齢,アルブミン,性,血清クレアチニン,悪性腫瘍,高血圧,自立生活能力,心血管・脳血管疾患の9つの予測因子を含むモデルが完成した.これらのうち、手術、年齢、アルブミンは生存の有効な予測因子である。モデルの判別c統計量は0.814(95%信頼区間0.762-0.865)であり,内部検証による補正値は0.795であった。

[結論]
この予後予測モデルは、脆弱性股関節骨折患者の1年生存率を正確に予測することができる。この情報は、臨床医が合理的で個人化された治療計画を立てるのに役立つ。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

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この研究は以前に紹介したTRIPOD声明において、内部検証もしっかり行われており比較的質の高い論文といえよう。

前回も同じような記事を挙げた。


今回はその比較と共にみていこう。

▶対象
今回;単一施設術前患者 VS. 前回;Danish Hip Fracture Registryの全国データを用いた術後患者
言うまでもなく、前回の方が、一般化可能性は高そうだ。
▶予測因子
今回;手術,年齢,アルブミン,性,血清クレアチニン,悪性腫瘍,高血圧,自立生活能力,心血管・脳血管疾患など
前回;介護施設居住、合併症(Charlson Comorbidity Index [CCI] Score)、虚弱(Hospital Frailty Risk Score)、基本動作(Cumulated Ambulation Score)、心房細動、骨折タイプ、肥満度(BMI)、年齢、性別
▶アウトカム
共に1年後の死亡率
▶最終モデル
今回;手術、年齢、アルブミン
前回;ナーシングホーム居住、CCIスコア、累積歩行スコア、BMI、年齢

この比較はどっちが良いかというのではなく、自身の施設ではどちらのモデルの方が適応した方が良さそうかを判断するためのものである。
もちろん、本当に適応していくなら、本文を読んで基本情報ををしっかりチェックする必要はあるが。

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医療従事者における道徳感についても記事にしていますので良かったら読んで頂けると嬉しいです。

最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。

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