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"慈悲の瞑想"で医療現場でのコミュニケーションスキルの向上を図ろう!

▼ 文献情報 と 抄録和訳

慈悲の瞑想が医師のマインドフルネス、共感、コミュニケーションスキルに及ぼす影響

H Chen, C Liu, X Cao, et al.: Effects of Loving-Kindness Meditation on Doctors' Mindfulness, Empathy, and Communication Skills. Int J Environ Res Public Health. 2021;18(8):4033.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed(Full text), Google Scholar

[背景] 中国では医師と患者の緊張が高まっているという状況の中で、本研究の目的は、慈悲の瞑想(LKM)が医師のマインドフルネス、共感、コミュニケーションスキルに与える影響を探り、検証することであった。

[方法] 中国の病院から106名の医師を募集し、LKMトレーニング群(n = 53)と待機中の対照群(n = 53)に無作為に分けた。LKMトレーニング群は8週間のLKMトレーニング介入を受け、対照群は介入を受けなかった。LKMトレーニング介入の前(プレテスト)と後(ポストテスト)に、3つの主要変数(マインドフルネス、共感性、コミュニケーションスキル)を測定した。

[結果] 共感力とコミュニケーション能力は、対照群に比べて有意に向上したが、マインドフルネスのレベルは有意に変化しなかった。

[結論] この結果から、LKMは医師の共感能力やコミュニケーション能力の向上に寄与する可能性が示唆された。しかし、LKMがマインドフルネス、共感性、コミュニケーションスキルやその他の心理的構成要素に及ぼす影響のメカニズムについては、今後さらに解明する必要がある。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

『慈悲の瞑想』とはなんぞや、という方は、以下の本を参照して頂きたい。セルフコンパッションを高める方法として、『慈悲の瞑想』が紹介されており、方法も分かりやすい(しかも安いしすぐ読める!)。

確かに瞑想に慣れていない方にとっては、慈悲の瞑想は少し抵抗感があるかもしれない。ただ、私の経験上では、様々な種類の瞑想の中で一番心が『穏やか』になりやすい。しかも即時的に。それだけに今回の論文結果は納得のできる内容であった。

様々な影響もあり、どうしてもピリピリしやすい医療現場。少しでも心にゆとりを持ってコミュニケーションするために、『慈悲の瞑想』は一手段となりそうだ。
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ミントライム
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