【英論抄読】股関節骨折に関する研究における、『コアアウトカムセット』
📖 文献情報 と 抄録和訳
高齢の股関節骨折患者における機能回復に関連する短期および長期の予後因子ーシステマティックレビュー
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📚 概要
💡キーポイント
このシステマティックレビューは、高齢の股関節骨折患者の退院後の機能回復に関わる短期および長期の関連因子を明らかにすることを目的とした。機能回復に関連する74の要因を報告した43の研究を同定したが、その多くは生物学的、社会人口学的、または骨折前の機能能力を含む患者のベースライン特性に対する固有の要因であった。
目的
本系統的レビューでは、高齢の股関節骨折患者の退院後の機能回復に関わる短期的・長期的な関連因子を明らかにすることを目的とした。二次骨折軽減のための股関節骨折コアセットと主要業績指標の使用について評価した。
方法
7つの電子データベースで検索を行った。外科的治療または保存的治療を受けた股関節骨折と診断された高齢患者の通常治療後の予測因子を報告した観察研究を対象とした。主要アウトカムは、機能的能力に対応する領域の一部とした。
結果
3873件の文献が特定され、スクリーニングと選択プロセスの後、43件の研究が含まれた。BADL,IADL,歩行,移動など10の機能的アウトカムについて61の機能的尺度が同定された。年齢、性別、併存疾患、認知状態、栄養状態、生化学パラメータなどの生物学的特性が有意に関連している。社会的ネットワークの接触や規模、施設介護の質などの決定因子は、6カ月および12カ月後の機能回復に関連している。年齢、骨折前の機能、認知状態、合併症は、退院後5年経過しても引き続き関連している。高齢の股関節骨折患者の機能回復に関連する74の因子を見出した。KPI9で提案されているリハビリテーションプログラムを報告している研究は10件で、股関節骨折のコアセット一式を使用している研究はなかった。
結論
高齢者股関節骨折の機能回復の関連因子の多くは,生物学的,社会人口学的,または骨折前の機能能力を含む患者のベースライン特性に対する固有の因子であった。コアセットとKPIについては、使用・報告が不十分であることがわかった。本研究では、機能的能力を測定するための61種類の機器を報告している。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
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まず、お恥ずかしながらコアアウトカムセットというものを認識していなかった。以下のように定義されている。
また、以下のサイトで自分が調査したい研究分野のコアアウトカムセットが検索できる。
https://www.comet-initiative.org/
そして、「hip fracture」に関するコアアウトカムセットは2014年に発表されている。
以下、抄録の一部を引用する。
これらのコアアウトカムセットは、どれもリハビリテーションに関わるところだろう。
研究という知的で楽しい壮大なゲームのルールブックに「コアアウトカムセット」を追記しておこう。
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医療従事者における道徳感についても記事にしていますので良かったら読んで頂けると嬉しいです。
最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。
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