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【英論抄読】脳卒中患者における機能的・環境的予測因子とリハビリ後の自宅退院の可能性を識別するための決定木アルゴリズム

📖 文献情報 と 抄録和訳

脳卒中患者における機能的・環境的予測因子とリハビリ後の自宅退院の可能性を識別するための決定木アルゴリズム

Imura T, Iwamoto Y, Inagawa T, Imada N, Tanaka R, Toda H, Inoue Y, Araki H, Araki O. Decision Tree Algorithm Identifies Stroke Patients Likely Discharge Home After Rehabilitation Using Functional and Environmental Predictors. J Stroke Cerebrovasc Dis. 2021 Apr;30(4):105636.

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DOI, PubMed

📚 概要

[背景・目的]
脳卒中患者の自宅退院を実現するための環境要因の重要性は、科学的に証明されていなかった。様々な機能変数や環境変数を用いた決定木アルゴリズムを適用し,自宅退院の可能性が高い脳卒中患者を特定する研究は限られている。本研究では、脳卒中入院リハビリテーション後の自宅退院に影響を与える機能的要因や環境的要因などを機械学習法を用いて明らかにすることを目的とした。

[方法]
当施設の回復期リハビリテーション病棟に入院した全脳卒中患者の維持管理データベースのデータを対象としたコホート研究である。合計で1125名の脳卒中患者を調査した。入院リハビリテーション後の自宅退院の可能性を識別するために,3つの分類回帰木(CART)モデルを開発した。

[結果]
3つのモデルのうち,基本情報,機能要因,環境要因の変数を組み込んだCARTモデルが,自宅退院の可能性を最も高い精度で同定できた(下図)。このモデルでは,FIMの上半身の更衣(スコア≦2またはスコア>2)が自宅退院の最初の単一識別因子として同定された。回復期リハビリテーション病棟入院時に上半身更衣のFIMスコアが2点以下であった脳卒中患者においても,家屋改修を行うことは自宅退院の可能性が高いことが確認された。興味深いことに,家屋改修を行った患者の多くは,下肢麻痺の程度にかかわらず自宅退院を達成している。

[結論]
脳卒中回復期患者において,環境要因を含む決定木アルゴリズムを用いて,自宅退院実現に影響する要因を明らかにした。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

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昨今のCOVID-19の影響で、私が勤務している病院でも家屋調査を控えることが増えている。
ただ、こうした結果をみると、家屋環境の調整が自宅退院の実現にいかに重要であるか、改めて気づかされる。
ここでいう家屋調査は、実際に現地に向かっての調査を指すと思うが、例えばオンラインでの調査はどうだろう?同様の結果は出るだろうか?
いずれにせよ、我々リハビリテーション職種が、(オンライン・オフラインを含めた)家屋環境へアプローチしていくことが重要だ。それぞれの病院・施設の環境、そして国全体の情勢に柔軟に対応しながら、その時に見合ったアプローチ方法を検討していこう。

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最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。

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