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【英論抄読】TKA 1か月後のQOLに関する臨床予測
📖 文献情報 と 抄録和訳
人工膝関節全置換術後1ヶ月におけるQOL回復の遅れを予測するための臨床的予測則-決定木モデル
Tanaka S, Amano T, Uchida S, Ito H, Morikawa S, Inoue Y, Tanaka R. A clinical prediction rule for predicting a delay in quality of life recovery at 1 month after total knee arthroplasty: A decision tree model. J Orthop Sci. 2021 May;26(3):415-420.
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📚 概要
背景
人工膝関節全置換術後のQOLの予後を予測し、その精度を評価するための臨床的予測ルールは存在しない。本研究では、人工膝関節全置換術後1ヶ月のQOL低下を予測する臨床的予測ルールを開発し、評価することを目的とした。
方法
本研究では,日本国内の人工膝関節全置換術を受けた患者116名を対象とした.社会人口統計学的因子、医療情報、運動機能などの潜在的な予測因子が測定された。QOLは、手術前1日と人工膝関節全置換術後1ヶ月の日本版変形性膝関節症患者機能評価表(JKOM)を用いて測定した。臨床予測ルールの作成には、決定木を用いた。
結果
人工膝関節置換術前の日本式変形性膝関節症測定法スコア(≦34.0または>34.0)は、単一の識別因子として最も優れていた。人工膝関節置換術前のJKOM≦34.0では、患側の膝屈曲筋力(≦0.45または>0.45N・m/kg)が次善の予測因子であった。患側の膝屈筋の筋力が0.45以上であった者の次の予測因子は、患側の膝屈曲可動域(≦132.5°または>132.5°)であった。モデルの受信者動作特性曲線下面積は0.805(95%信頼区間、0.701-0.909)であった。
結論
本研究では,4つの変数が有意な予測因子として選択された。しかし,膝屈筋の筋力と膝関節屈曲可動域の結果は逆説的であった。この結果は,術前の膝関節機能が良好な患者に対して手術を行うことに注意が必要であることを示唆している。人工膝関節全置換術後1ヶ月のQOL低下を予測する臨床的予測則を開発し,その精度は中程度であった。この臨床予測ルールは、人工膝関節全置換術を受ける患者のスクリーニングに利用することができる。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
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「QOL」というアウトカムは非常に重要である。筋力・疼痛・歩行能力が改善しても、QOLが改善しなければ理学療法の本当のゴールとはいえないと思うからだ。
また、OPE後1か月でのQOLをもちろん大切だが、患者さんが最終的に、「手術して、リハビリして良かった!」と思えることが最も重要であると考える。したがって、以下が今後の課題だと思う。
最終的に・・・いつの時点で測定するのが良いか
手術して、リハビリして良かった!・・・理学療法士としては、特に「リハビリして良かった!」を拾える尺度を測定することが望ましい
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医療従事者における道徳感についても記事にしていますので良かったら読んで頂けると嬉しいです。
最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。
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