【英論抄読】透析患者と一般住民における股関節骨折の発生率とその後の死亡率の経時的傾向
📖 文献情報 と 抄録和訳
スウェーデンの透析患者と一般住民における股関節骨折の発生率とその後の死亡率の経時的傾向
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📚 概要
背景 透析患者における股関節骨折の発生率は、米国や日本では減少傾向にあると報告されているが、ヨーロッパでの調査は不足している。我々は、スウェーデンの透析患者における股関節骨折の発生率とその後の死亡率の傾向を、スウェーデンの一般人口と比較しながら調査した。
方法 人口ベースのスウェーデン全国骨折データベースとスウェーデン全国腎臓レジストリを用いて,2007~2016年の股関節骨折の発生率とその後の死亡率に関するデータを検索した。スウェーデン一般集団における年齢標準化股関節骨折発生率(ASRhip fracture)および年齢標準化30日(ASMR30day)および180日(ASMR180day)後股関節骨折死亡率の推移を,ジョインポイント回帰分析により評価した。スウェーデンの透析患者について、股関節骨折の標準化発生率比(SIR)および標準化死亡率比(SMR)を算出した。
結果 一般人口におけるASRhip fractureは、女性では2007年から、男性では2009年から有意に減少した。透析患者では、SIRは一般人口と比較して3~5倍高く、女性では経時的に減少したが、男性では減少しなかった。一般集団では、死亡率(ASMR30dayとASMR180day)は女性、男性ともに有意に減少した。透析患者では,骨折後の死亡率(SMR,主に180日死亡率)は一般集団の2倍高いままであり,改善傾向は一貫していなかった。
結論 スウェーデンの一般人口における股関節骨折の発生率とその後の死亡率は、女性でも男性でも低下していた。透析患者では、股関節骨折の発生率は女性で減少したが男性では減少せず、骨折後の死亡率は改善せず、発生率は一般集団の3~5倍、その後の死亡率は2倍高いままであった。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
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こうした国による変化は何だろう。もちろん様々な要因はあるはずだが、改善の余地がある要因といえば、診断、予防、治療の方法が改善が挙げられるだろう。
本論文のIntroductionでも、以下のようにレビューされている。
改善のためには、透析患者の中でも骨折リスクが高まるのにはどんなクラスターが存在するか、その把握が大切だと感じた。
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最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。
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