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【英論抄読】股関節骨折臨床試験のコアアウトカムセットの採用率⇒0%

📖 文献情報 と 抄録和訳

股関節骨折コアアウトカムセットの導入:20年間の股関節骨折臨床試験の分析

Smith TO, Collier T, Sheehan KJ, Sherrington C. The uptake of the hip fracture core outcome set: analysis of 20 years of hip fracture trials. Age Ageing. 2019 Jul 1;48(4):595-598.

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DOI, PubMed

📚 概要

背景:臨床試験は、治療の効果や効能を検証するものである。研究者が最も意味のあるアウトカム指標で介入を評価することが重要である。2014年の股関節骨折コアアウトカムセットでは、股関節骨折患者を対象としたすべての試験において、死亡率、移動性、疼痛、日常生活動作、健康関連QOL(HRQOL)を評価すべきであると推奨されている。本分析の目的は,これらの勧告の取り込みを明らかにすることである。

方法:1997年から2018年に登録された股関節骨折後の参加者を募集するすべての試験をClinicalTrials.govの試験登録から特定した。毎年採用される各コアドメインの頻度を評価した。

結果は以下の通り。311件の臨床試験が特定され、分析された。最低10件の登録を提示した年の試験登録の分析では、完全なコアアウトカムセットの採用は0%(2017年;2018年)から24%(2009年)の範囲であった。死亡率と移動性が最も一貫して報告された領域であった(死亡率:27%(2017年)~56%(2011年)、移動性:36%(2015年)~60%(2004年))。一方、痛みとHRQOLは最も報告が少なかった(痛み:14%(2017年)→61%(2015年)、HRQOL:10%(2010年)→11%(2008年))。Haywardら(2014)のコアアウトカムセットの発表後,コアアウトカムドメインセットの採用には明確な変化はなかった。

結論:2014年の発表から股関節骨折コアアウトカムセットの採用は限定的であった。取り込みを改善するために、実施方法をさらに検討することが必要である。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

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前回、コアアウトカムセットに関する記事を載せた。

今回の結果が何を示すか。考え方は様々だろうが、理学療法の領域のおいては、痛みやQOLをアウトカムとした質の高い研究を実施していくことが望まれるだろう。

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最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。

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