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【英論抄読】予測研究の評価:PROBAST

📖 文献情報 と 抄録和訳

予測研究の評価:PROBAST(Prediction model Risk Of Bias ASsessment Tool)を用いたバイアスと適用性の評価に関するガイドとメタ・レビュー

de Jong Y, Ramspek CL, Zoccali C, Jager KJ, Dekker FW, van Diepen M. Appraising prediction research: a guide and meta-review on bias and applicability assessment using the Prediction model Risk Of Bias ASsessment Tool (PROBAST). Nephrology (Carlton). 2021 Dec;26(12):939-947.

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DOI, PubMed

📚 概要

ここ数年、多くの予測モデルが発表されているが、その多くは方法論的に質が低い。一見、客観的でわかりやすい予測モデルは、通常、容易に入手できる臨床情報に基づいて、関心のある結果に対するリスク推定値を提供する。しかし、方法論的に厳密でないモデルを使用すると、特に外部検証を行わない場合、誤ったリスク推定、ひいては誤判定につながる可能性がある。予測研究におけるバイアスを評価し、戦うために、予測モデルのバイアスリスク評価ツール(PROBAST)が2019年に発表された。このバイアスリスク(ROB)ツールは、4つのドメイン(図)と方法論の欠陥を強調する20のシグナリング質問を含み、モデルの適用可能性を評価する際のガイダンスを提供する。この論文では、PROBASTについて、バイアスを誘発する可能性のある予測モデリングでよく遭遇する2つの落とし穴:オーバーフィットと複合エンドポイントについての詳細なレビューとともに議論されます。PROBASTを用いた50のシステマティックレビューのメタレビューにより、予測モデルにおける潜在的なバイアスの広まりを説明し、2104の予測モデルに関する1510の異なる研究を含んでいます。すべての領域でROBが不明または高いことが示され、これらの結果は時間の経過とともに顕著に安定しており、予測研究におけるバイアスへの配慮が緊急に必要であることが強調された。この論文は、(1)臨床医に臨床予測モデルの(方法論的)質を評価するツールを提供し、(2)レビューに取り組む研究者に含まれるモデルを評価する方法を提供し、(3)モデルを開発する研究者にモデルの質を向上させるための示唆を与えることによって、まさにそれを行うことを目指している。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

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システマティックレビュー時にはもちろん、論文を臨床応用していく際にもPROBASTの使用が望まれる理由としては、本文のIntroductionの一節からも理解できるだろう。

最近、虚血性脳卒中について開発された77のモデル¹や、慢性腎臓病(CKD)患者の腎不全を予測する42のモデルを確認しました²。このすでに多いモデルの数は、心血管疾患(2015年に約800と推定³)や肺疾患(慢性閉塞性肺疾患に関するモデルが2019年に450以上と推定)など他の分野ではるかに上回っている。残念ながら、これらのモデルの多くは、方法論的に様々な欠陥があり、臨床への導入は限定的で、外部検証(新患での性能評価)されていない

こうした研究は当然、実学でなければならない。だからこそ、ホームランばかりを狙わず、一人一人が検証できる目を養う必要があるだろう。

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最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。

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