【英論抄読】脳卒中患者のBWSトレッドミル練習時に脳活動を測定してみると・・・ケースレポート
▼ 文献情報 と 抄録和訳
脳卒中後半身不随の患者における歩行障害の経過と脳活性化について
[ハイパーリンク] DOI, PubMed(Full text), Google Scholar
[目的]
脳卒中後の半身不随の患者を対象に、体重支持(BWS)トレッドミル訓練の効果を、皮質活性化の変化を含めて検討した。
[患者]
患者は71歳の男性で、左視床出血を発症した。運動症状は軽度の障害を示していた。仰臥位、座位、立位で筋収縮の過活動は認められなかった。歩行は右足前方から始まり,右膝は伸展推力パターンを示した.これらの症状から,脳卒中後の半身不随が示唆された.
[方法]
BWSトレッドミル訓練を3週間にわたり14回実施した。BWSトレーニングの効果は,歩幅解析,筋電図,機能的磁気共鳴画像法(fMRI)により評価した。
[結果]
BWSトレーニングの結果、BWSトレーニングの間(p<0.001)と後(p=0.025)において、患者の非伸縮性歩幅はBWSトレーニング前に比べ有意に延長した。遊脚相における右腓腹筋の過剰な筋活動は、BWS前セッションに比べ、BWS間、BWS後、フォローアップで減少した。両側前脛骨筋のピークタイミングの差は、介入初日に有意になった(p<0.05)。fMRIでは、運動課題によって活性化される皮質領域が、介入によって収束することが明らかになった(p<0.05、ファミリーワイズエラー補正)。
[結論]
これらの結果から、BWS介入後、随意運動時の脳活動の変化により、脳卒中後の半身不随の症状改善がみられたことが示唆された。したがって、体重支持型トレッドミル訓練は、脳卒中後の半身不随の患者に対する有効な治療法であると考えられる。
▼ So What?:何が面白いと感じたか?
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ケースレポートにおいて、実際に脳活動の変化を示したところが有意義であると考える。
特別な実験室ではなく、普段行うリハビリ室で、こうした変化を認めたことはケースレポートでありながら適応性は高いと思われる。
右腓腹筋の過剰な筋活動の減少が、fMRIの変化と相関があるかどうかも分かれば、介入中の評価から脳活動の変化をイメージできるかもしれない。
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