【英論抄読】変形性膝関節症患者のマネジメントはQOLの評価から
📖 文献情報 と 抄録和訳
変形性膝関節症患者のグローバルマネジメントはQOLの評価から:システマティックレビュー
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📚 概要
[背景]
変形性膝関節症(KOA)は、機能制限や痛みを伴う慢性関節疾患として広く知られている。活動制限は、社会とのつながりや心理的な幸福感に悪影響を及ぼし、患者の生活の質(QoL)を低下させる。このレビューの目的は、KOA患者のQoLに関する既存の情報を要約し、それに影響を与える可能性のある個人的な要因について報告することである。
[方法]
MEDLINE、EMBASE、Cochrane、PsycINFOで公開されている2017年までの文献をKOAとQOL関連のキーワードで調べ、システマティックレビューを実施した。包含基準は、少なくとも1つの人口統計学的因子(年齢、性別など)、ライフスタイル因子(機能的自立など)、併存疾患因子(糖尿病、肥満など)および対照群と比較したQOLであった。分析方法は、当初のデザインの一部として考慮されていない。
[結果]
合計610件の論文がレビューされ、そのうち62件が包括基準を満たした。QoLを測定するために使用された器具は以下の通り。SF-36、EQ-5D、KOOS、WHOQOL、HAS、AIMS、NHP、JKOMなどである。すべての研究は、対照群と比較してKOA患者のQoLが悪いことを報告している。女性と男性の比較では、女性の方がQOLが悪いと報告された。肥満と身体活動の低下はQoLスコアの低下と同時に報告された。医療専門家による膝関節自己管理プログラムは、KOA患者のQoLを改善した。教育水準と高いマインドフルネスはQoLを向上させるが、貧困、心理的苦痛、うつ病、家族関係の欠如はQoLを低下させることが報告された。KOAの外科的介入により、全般的に良好から優れた転帰が得られたが、結果は年齢、体重、うつ病によって異なっていた。
[結論]
KOAはQoLに大きな影響を与える。KOA患者では、QoLは性別、体重、身体活動、精神衛生、教育などの特定の個人的要因にも影響される。重要なことは、KOA患者を支援するために設計された教育・管理プログラムがQoLの改善を報告することである。QoLデータは、医療専門家にKOA疾患の理解を深め、最も効果的な管理計画の実施を支援する貴重なツールといえる。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
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KOAはQoLに影響を与えること、そしてQoLの変化には個人差があること。このことを多くの方が理解していると思うが、今回の論文はその知識に具体性を与えてくれる。
生活環境や精神疾患だけでなく、各患者のマインドフルネス度や教育水準も考慮し、QoL向上のためのデザインを組んでいくことが望まれるだろう。
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医療従事者における道徳感についても記事にしていますので良かったら読んで頂けると嬉しいです。
最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。
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