【英論抄読】COVID-19後はランナーのランニングキネティクスと筋活動が変化する?
▼ 文献情報 と 抄録和訳
COVID-19から回復したレクリエーションランナーは、健康な対照者と比較して、ランニングキネティクスと筋活動に違いが見られる
[ハイパーリンク] DOI, PubMed(Full text), Google Scholar
[背景]
COVID-19の感染予防には検疫による社会的隔離が有効である。検疫の副作用として運動量の低下がある。
[研究課題]
COVID-19感染歴のあるレクリエーションランナーのランニングキネティクスと筋活動は,健常対照者と比べてどのような違いがあるのか?
[方法]
20~30歳の男女40名が本研究に参加し、2つの実験グループに分けた。
グループ1(年齢:24.1±2.9):COVID-19の既往を持つ参加者(COVID群)グループ2(年齢:24.2±2.7):年齢と性別が一致した健常者(コントロール群)
両群ともフォースプレートを用いたランニングキネティクスと筋電図活動(前脛骨筋[TA]、内側腓腹筋[Gas-M]、大腿二頭筋[BF]、半腱様筋[ST]、外側広筋[VL]、内側広筋[VM]、大腿直筋[RF]、内側広筋[Glut-M])についての検査を受けた。
[結果]
その結果、COVID者は対照群と比較して、押し出し時の垂直方向(p=0.029、d=0.788)および内側(p=0.004、d=1.119)の床反力(GRF)ピークが大きいことが示された。さらに、COVID群では、踵接地時のピーク外側GRFがより大きかった(p = 0.001; d=1.536)。COVID-19では、踵接地時に垂直方向(p=0.001,d=3.779)および後方(p=0.005,d=1.099)GRFのピークに達するまでの時間が短いことが示された。また、COVID群では、踵接地時にGas-Mが高く(p=0.007、d=1.109)、VM活性が低く(p=0.026、d=0.811)なっていた。
[臨床意義]
COVID-19人と健常対照者では、異なるランニングキネティクスと筋活動が認められた。したがって、COVID-19から回復したランナーにおいて、動的運動中の下肢のアライメントと縦方向のコントロールを改善するために、バランストレーニングや筋力トレーニングを実施することが、医師や療法士に推奨される。
▼ So What?:何が面白いと感じたか?
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現状、何故こうしたランニングキネティクスの変化が生じるかは明らかではない。ただ、こうした変化が生じることも事実だ。
運動量の低下だけでは説明できないこうした変化は当然、歩行にも生じることが予想される。
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