
【英論抄読】慢性腎不全患者の末期腎不全への進行を予測する
📖 文献情報 と 抄録和訳
透析導入前の腎臓内科診療における慢性腎臓病の末期腎不全への進展に関する臨床的予測モデル:慢性腎臓病日本コホート研究の結果より
Hasegawa T, Sakamaki K, Koiwa F, Akizawa T, Hishida A; CKD-JAC Study Investigators. Clinical prediction models for progression of chronic kidney disease to end-stage kidney failure under pre-dialysis nephrology care: results from the Chronic Kidney Disease Japan Cohort Study. Clin Exp Nephrol. 2019 Feb;23(2):189-198.
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📚 概要
背景
末期腎不全(ESKF)発症リスクの高い慢性腎臓病(CKD)患者を特定するためには、信頼性の高い予測ツールが必要である。我々は、CKD-JAC(CKD-Japan Cohort)のデータを用いて、透析前の腎臓内科治療におけるCKDからESKFへの進行に関する臨床予測モデル(CPM)を開発し、検証を行った。
方法
推定糸球体濾過量(eGFR)が60 mL/min/1.73 m2未満と定義された2034人の20-75歳のCKD患者を平均3.15年間前向きに追跡調査した。全体の解析セットをランダムに開発コホートと検証コホートに分けた。開発コホートでは,Cox比例ハザード回帰を用いてCPMを作成し,適合度を評価した。検証コホートでは、開発したCPMの識別性とキャリブレーションを評価した。また,開発したCPMをブートストラップ法で検証した。
結果
ESKFの発症は、開発コホートで206人(20.3%)、検証コホートで216人(21.2%)で確認されました。年齢,性別,eGFRを含む単純なモデルでは,アルブミン尿,収縮期血圧,糖尿病,血清アルブミン,ヘモグロビンを含む複雑なモデルよりも適合度,識別度,キャリブレーションが悪化した.3年後のESKF発症確率の実測値と予測値の差の絶対値の平均は,複雑なモデルの方が単純なモデルよりも低かった(1.57 vs 1.87% ).
結論
入手しやすいデータを用いたCPMは、CKDステージG3aからG5の患者におけるESKFへの進行を正確に予測することができた。これらのCPMは、より適切な臨床治療と臨床医と患者間の意思決定の共有を促進する可能性がある。
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どれも臨床上より検査されている項目であるため非常に有用と思われる。
リハビリテーションにおいては、病棟・医師とより根拠をもって血圧等のバイタルサインの共有を行うことが、ESKFの正確な予測と予防に繋がるだろう。
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医療従事者における道徳感についても記事にしていますので良かったら読んで頂けると嬉しいです。
最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。
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