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【英論抄読】転子間骨折患者の術後1年間の機能予後に関する臨床的予測ルールの開発

📖 文献情報 と 抄録和訳

転子間骨折患者の術後1年間の機能予後に関する臨床的予測ルールの開発。転子間骨折外来予測ツール(IT-AP)

Adulkasem N, Phinyo P, Khorana J, Pruksakorn D, Apivatthakakul T. Development of Clinical Prediction Rules for One-Year Postoperative Functional Outcome in Patients with Intertrochanteric Fractures: The Intertrochanteric Fracture Ambulatory Prediction (IT-AP) Tool. Int J Environ Res Public Health. 2021 Dec 24;19(1):177.

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DOI, PubMed

📚 概要

[背景・目的]
転子間骨折患者の術後歩行状態の個別予測は、術前・術中ともに臨床的に重要である。本研究では、転子間骨折患者の術後1年間の機能的転帰を予測する臨床的予測ルール(CPR)を開発することを目的とした。

[方法]
CPR の開発は、外科的固定術を受けた 50 歳以上の転子間骨折患者のレトロスペクティブコホートの二次分析に基づいて行われた。良好な歩行状態をNew Mobility Score≧5と定義した。多変量分数多項式法によるロジスティック回帰を用いて、臨床プロファイルと手術関連パラメーターを用いて、術前・術中予測のための2つのCPRを導出した。

予測因子
術前;性別、BMI、Charlson comorbidity index(CCI)、受傷前の歩行状態術中;骨折形態、側壁厚、ネックシャフト角、骨折変位、CalTAD、APビューのパーカー比

[結果]
本研究では、転子間骨折の患者 221 例を対象とした。このうち160人(72.4%)が1年後に良好な機能状態を保っていた。術前モデルでは、0.77(95%CI 0.70~0.85)という許容可能なAUROCが示された。手術関連パラメータを術前モデルに組み込んだところ、モデルの識別能力は 0.83(95% CI 0.77~0.88)(p = 0.021) と有意に改善された。

✅導き出されたモデルは、臨床応用のために使いやすいウェブアプリケーション「転子間骨折歩行予測(IT-AP)」として発表された
このアプリケーションは、個々の入力に基づき、術後1年後に良好な歩行状態にあることの予測オッズと尤度比(LHR)を推定する。本研究におけるLHRは、転子間骨折の平均的な患者の良好な歩行状態を有するオッズと比較した、各患者の良好な歩行状態を有するオッズとして定義される。したがって、LHRが1より高い場合、その個々の患者の良好な歩行状態を有するオッズが、転子間骨折の平均的な患者より高いことを意味する。一方、LHRが1より低い場合、その個人の良好な歩行状態を有するオッズが、転子間骨折を有する平均的な患者のオッズより低いことを意味する。
以下のサイトより活用可
it ap tool | CALCONIC_ Calculator

[結論]
新たに導き出されたCPRにより、医師は転子間骨折の患者に対して、術後1年間の機能予後を個別に予測し、リスクコミュニケーション、手術の最適化、患者の期待に合った術後ケアの調整などに利用することが可能となった。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

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上記のアプリは、簡単に入力でき臨床応用しやすい。
今後は、研究を臨床応用してもらうべく、こうした開発を含む研究が増えてきそうだ。
ただ、使いやすい分、使用者は自身の施設における適応性(一般化可能性)に十分注意する必要がある。

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最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。

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