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#294 子どもが「叱られても遊ぶ」理由
本当は分かっている
休み時間に課題をすることになった子がいます。
「課題が終わってから遊ぶんですよ。」
友達が次々と教室を飛び出す。いつものように校庭でサッカーをするんだろう。多少は悩むが、その列の最後尾について校庭へ。
当然、先生に叱られる。
「なんで、課題をやらないで遊びに行ったの?」
「課題をやらないと、どうなるの?」※放課後にやることになる・・・
そんなことは分かっている・・・
ブレイク・イーブン効果
損失が生じた時、その損失分を取り戻そうとして、普段よりも積極的にリスクのある判断や行動をする心理状態
ギャンブルなどにおいて、よく見られる心理状態です。
一方で、普段の生活においてもあるあるだと思います。
A:車の修理に100万円かかる。その日、宝くじが30万円あたった。
B:車の修理に70万円かかる。
AとBでは、Aの方がうれしいと感じませんか。むしろ、得をしたとさえ感じるかもしれません。どちらもトータル出費は70万円なのに、良い点を強く感じるのが人の特性のようです。
叱られても遊ぶ理由
さて、ブレイク・イーブン効果を先ほどの子どもに当てはめてみましょう。
Å:課題をやる(放課後)。先生に叱られる。いつものようにみんなと遊べる。
B:課題をやる(昼休み)。いつもより短い時間だけど遊べる。※放課後はいつも通り
カードを並べて、トータルで判断すればBですよね。先生に叱られないし、放課後がいつも通りですから。
でも、この子にとっては、「いつものようにみんなと遊べる」カードが圧倒的に重要なのです。
ここに、約束や決まりを持ち出しても、なかなか行動制限につながらない理由があります。
子どもたちは、「目先のことに囚われている」ように見えることがあります。「そんなことしたらどうなるのか分からないの?」分かって上で、自分にとって多少のマイナスなんかよりも、大きなプラスを取りに行っているのです。「自分にとって」がポイントです。
子どもは子どもの世界で生きていますから。その点を理解した上で、徐々に、外の世界(社会)があることを教え、導くことを大事にしたいものです。