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#199 「ネガティブ報告」増えてませんか?
「先生、〇〇さんが△△してました。」
「先生、まだ〇〇さんができていません。」
あなたのクラスに、こんな子どもはいませんか?
先生の代わりにがんばる「ミニ先生」と言えば聞こえはいいですが、もしかしたら、学級の雰囲気を悪くする存在かもしれません。
低学年なんかではよく見られるものですが、子どもたちは、先生に様々な報告をしてくれます。この報告は2つに分けられます。
「ネガティブ報告」と「ポジティブ報告」
「ネガティブ報告」とは、学級の友だちの否定的な部分をわざわざ教師に報告することです。
人の脳には、きまりや守らない人を見つける機能が備わっています。脳科学者の中野信子さんが著書で「裏切り者検出モジュール」と紹介していました。続けて中野さんは、この機能のおかげで集団の秩序が守られるというポジティブな面がある。一方で、きまりを守らない裏切りもの=逸脱者は非難してもよい存在だと認識してしまうと述べています。
もし学級内でネガティブ報告が増えているとしたら、子どもたちの中に、「きまりを守らない子は許されない存在」だという認識が生まれているのかもしれません。
ここで、怖いのは、子どもの場合、「守らない」のではなく「守れない」場合が多いということです。まだ、発達段階にある子どもたちは様々な失敗をして学んでいきます。その「失敗」が許されないとしたら、どうなるのか。
子ども同士が互いに監視するようになり、人の目を気にするようになるでしょう。また、新しいことに挑戦することも避けるようになるでしょう。一番の弊害は、人との関わりを避けることだと思っています。人の目を避けるために、人を避ける。こうして、「居心地の悪い学級」が生まれます。
では、どうしたら「居心地の良い学級」を形成できるのか。先ほどと逆のことをすればいいのです。「ポジティブ報告」を増やすのです。学級の友だちの肯定的な部分を報告する子が増えれば、逆の効果が生まれます。
学級内でポジティブ報告が増えているとしたら、子どもたちの中に、互いに良い面を見つけようという意識が芽生えてきます。すると、互いに監視ではなく、見守り合うようになります。人の目が気になるのではなく、温かく自分を守ってくれるものになります。こんな環境の中では、子どもはのびのびと挑戦します。人との関わりを望みます。互いに良いところを見つけ、認め合う、「居心地の良い学級」が生まれます。
さあ、あなたはどちらの報告に価値付けしていますか?
教師の価値付けによって、子どもががんばる報告が決まります。子どもたちから、一つでも多くの「ポジティブ報告」を聞きたいものですね。