#284 構造によって起きる教員の無能化
学校の規模
大規模校・・・25学級以上(1学年4クラス以上)
中規模校・・・12~24学級(1学年2~3クラス)
小規模校・・・11学級以下(1学年1~2クラス)
僕は3つ全ての規模の学校で働いたことがある。
講師の4年間は大規模校、初任から10年間は中規模校、その後小規模校に6年間勤め、現在中規模校に勤めている。
なぜ、あの先生が
「なぜ、〇〇先生は動かないんだろう。」
僕が抱いていて疑問の答えが見えてきた。
尊敬できる力のある先生が、大規模に異動したとたん活躍を聞かなくなる。
本人のやる気の問題かと思っていたが、3つ規模を経験することで、分かってきてことがある。
教員を無能化する構造
「大規模校になるほど、教員は無能化される。」
ちょっと大袈裟な表現になってしまいました。でも、大きく間違っていないと思っています。
大規模校では、教員の人数が多いので、仕事が細分化されます。すると、何か問題が発生した時、「これは他の分掌が担当だから」と言って、動かない。問題の要因が複数の分掌に関わるとしても、互いに「あっちの仕事だ」と思い、動かない。役割が細分化すると視野がせまくなる。
本来、力のある教員も大規模校にいると、構造的に力を発揮しにくくなるのだと思います。
また、人数が多いので、行動を起こすにも合意形成のハードルが上がるという問題も起こります。
一方、小規模校では、一人で複数の役職を兼任する。その結果、自分の仕事以外にも目が届きます。
例えば、研修主任と体育主任を兼任したとします。すると、学習面と運動面を掛け合わせて、「1時間目から子どもが授業に集中して参加できるように、身体を目覚めさせるような朝運動を取り入れてはどうか。」という提案ができる。
また、「学力向上における問題の一つが生活習慣にあるかもしれない。」など、ある問題に対する理解の幅が広がるというメリットもあります。
行動を起こすために説得する人数も少ないので動きやすいですね。
学びをアジャストする
ここまで書いてきて何ですが、大規模校はおすすめです。特に若い先生には。
僕は講師1年目に18学級、2年目に29学級の学校に勤めました。僅か2年で約50学級の学級経営に触れることができました。これは大きな学びの場となりました。この経験を生かして、中規模校で主任に大枠を定めてもらって、自分らしさを発揮し始め、単学級になってからは、自分のやりたいことを自己責任でやってきました。まさに実践の時期を迎えました。
規模による構造の問題はあります。
それでも、その場で学び続けることが可能です。構造上の特徴に合わせて、自分の伸ばせる部分を伸ばしていけばいいのではないでしょうか。
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