グーグルが挫折した日(先に行き過ぎて失敗する誤算) 〜GAFA に勝つヒューリスティックな方法は濃厚接触追跡アプリにあった。
こんにちは、雅(雅)です。
グーグル(Google)は、
スマートシティ構想プロジェクトからの撤退
鳴り物入りで、プロジェクトに参入した2017年から約3年での結論です。
場所は、カナダのトロント市のウォーターフロント地区。
そこにITをフル活用した未来都市「IDEA」が誕生するはずでした。
撤退の理由のひとつとして、現在のパンデミックの影響を挙げていますが、
実はその前から、うまく行っていなかったとも。
グーグルが、昨年1,524ページにもなるマスタープランを発表したところ、トロント市の再開発当局は拒否反応を示していたのです。
GAFAの何が問題なのか?
AIの隆盛で、「データは新しい石油である」ともてはやされていたスマートシティ構想なのですが、未だ成功例は出ていません。一体、何が問題なのでしょうか。
GAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)と呼ばれる米国の巨大IT企業4社は、AI時代を先取りして、投資に余念がありません。
GAFAが、いち早く自社のWEBサービスで取得したデータを活用して、差別化を強めたことで、逆風が吹き始めたのです。
欧州を中心に「データ」を利用される側のリスクが強調されて、GDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)が制定されて2018年5月25日に施行されると、そのリスクが一般に認識されるようになったばかりか、GAFAを訴えて訴訟にまで発展するケースが多発しています。
その結果、スマートシティ構想についても
住民のデータが、どう扱われるのか
大いなる疑念が生じてしまうことになりました。
結局、不信感を抱いたトロント市とグーグルの溝は埋まらなかったのです。
しかし、ロックアウト中の現在、グーグルとアップルが開発した
「濃厚接触の追跡アプリ」が話題
となっています。
両社の発表によれば、データの匿名化は保たれるとのこと。
このアプリが歓迎される理由のひとつは、
「ステイホーム」から解放される期待感
です。この期待感が後押ししているのです。
ロックダウンによる在宅ストレスが、
個人情報取り扱いに対する懸念を凌駕しているのです。
2つの相反する反応が教えてくれたこと
それは、アフターコロナの時代のIT開発の重要な視点でした。
『データの匿名性確保』を担保する『クリーンなデータ利用の仕組み』
そして、それに、市民に納得してもらえるのか。
そう。
納得感が、AI開発の成否を分ける
というヒューリスティックな側面なのです。
PS
動画版はこちら👇
caption:「グーグルが挫折した日(先に行き過ぎて失敗する誤算) 〜GAFA に勝つヒューリスティックな方法は濃厚接触追跡アプリにあった。」
【参照元記事 WIRED】
「グーグルがトロントで夢見た「未来都市」の挫折が意味すること」