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『就活生、神になる。』⑥ 新卒こそハローワークへ ~既卒就活編~

■まえがき ~本編に入る前に~

 本記事は、中高時代に病気で学校に通えなくなり、寛解後の大学時代はコロナ禍がクリーンヒットした筆者による就活体験記『就活生、神になる。』の第6回更新となります。過去5回の内容を踏まえた上で進んでおりますので、まだ過去回をご覧になってない方は、下記リンクよりご確認ください。それでは本編をどうぞ。



■第18章 既卒就活という選択


 2年生のインターンは志望していた金融系で複数社参加し、3年の春から採用選考を着々とこなしていた私であったが、夏採用まで含めてここまで内定に至った会社は一つも無かった。特に大手ばかりにこだわっていた訳ではなく、同じ業種で大手から中小まで幅広く受験した。

 一般的に受かりやすいとされる中小事業者では、採用人数の少なさ故に、少しでも頑丈で優秀な人間を採りたいという意識からか、病歴の深堀りばかりが行われる、いわば落とすための「問診面接」が1次面接から繰り出される場合が多かった。

 逆に、大手事業者では、(自分で言うのもおかしな話だが)ある程度のレベルの大学を出ていることや、ハキハキと喋る強みも相まって、グループディスカッションはほぼ完勝。集団面接でもセンシティブな病歴の話を振られることはほぼなかったため、1次・2次面接の通過率は良かった。しかし、三次の個人面接になると、やはり「問診面接」になってしまい、そもそも"就活生"として対等に扱われている印象は一切なかった。これではもはや"病人"扱いである。

 新卒の夏採用が終了した段階で、私は既に50社以上は受けていた。受けて初めて問診面接をする会社かの判断が付くため、数を撃ってきちんと話をしてくれる会社を探すしか道は無い。とりあえず応募だけして、個人面接まで到達したら、会社の採用スタンスを判断し、「問診面接」ではなく、きちんとした面接をしてくれたら初めて対策をするという、いわば総当たり作戦である。ここまで来ると、もはや最初は熱意を持って書けていた志望動機も薄っぺらくなっていた。


 そんな中で、私には取ろうと思えば取れる道が二つあった。一つは単位を意図的に落とすなどして、敢えて大学を留年し、再度”新卒”として就活をする選択。もう一つは、大学をストレートに卒業し、「既卒」として就活をすること。どちらを選ぼうか。私には迷いはなかった。

 親に迷惑を掛ける訳には行かず、自分で全てバイトをして学費を稼ぐのも現実的ではなかったため、既卒での就活に舵を切ったのだ。



■第19章 新卒こそハローワークを頼ろう


ただ、新卒時代と同じことをしているだけでは、到底受かるとは思っていなかった。そこで頼った物が「就活エージェント」と「ハローワーク」である。大丈夫。こっからいきなり就活エージェントのステマ記事になったりしません。


 まず先行導入したのが就活エージェント。最初は大手のエージェント一社を頼ってみたが、どう考えてもヨイショが多い。「あなたのお話の仕方なら、問題なく思ってくださる企業さんの方が圧倒的に多いですよ」、「病気を乗り越えた努力はきっと面接官の心を打ちますし、評価されますよ」、「あなたはXX大学を出られているので企業は魅力的に思われると思いますよ。語学も堪能みたいですし」、「病歴を深堀りされない会社をお探ししますよ」…。


 確かにハキハキとは喋れる。病気も乗り越えた。ある程度名の通るとこは出ている。語学は試験ができるだけで一切喋れない。。。


 ただ、いずれのお世辞も「実際はそうはなっとらんやろがい」とツッコミを入れたくなる物ばかりであった。私はじっと我慢をした。素直なので、物は試しでエージェントが推奨する中小企業を受験したことも何度もあった。しかし、自ら進んで出願した大手企業よりも遥かに選考通過率が悪かった。理由はなぜか。


 私が分析するに、このエージェントは自分たちの都合しか考えてなかったんじゃないかと思う。エージェントに頼る私は、病気が寛解したとは言えども、まだ深夜勤務や恐ろしい不規則勤務の会社については不安があった。一方で、エージェントに頼る会社は、普通に募集しても定員を充足できない採用数が少ない無名の優良企業であったり、そもそもブラック過ぎて頑丈な人を採用したかったり、とにかく業種全体で人手不足で"人"が欲しい会社である。


 優良中小であれば門は狭く、病人を取る余力などない。ブラックで世間的に有名であれば、仮に入ったとしても体力的に耐えられない。業種全体で人手不足のところは、何も私でなくてもいい。


 こういった面接の段階でミスマッチが察知できる企業でも、最初のエージェントは平気で紹介してきた。これでは、いままで以上に面接で手応えは無くなる。逆に、いままで病歴を聞かれて全てに断られてきた人間に対して、序盤から食い気味に「いつから来れる?」と言われても不安になる。


 こういった理由もあり、就活エージェントの利用は時間のロスと考え、一度控えることにした。



■19-2 ではハローワークはどうか


一方で、ハローワークは行政が運営しているので、基本的に話はきちんと聞いてくれるし、変なヨイショもされなければ、きちんと根拠を明示して求人情報を探してくれる。「この企業はホワイト企業認定を受けています」「クルミンを取っているので我々としてもある程度の信頼性を担保できます」と言った流れで説明してくれる。


 また、面接練習や自己分析セミナーなども定期開催されているようで、いずれも無料。場所によっては、過去に人事を経験された方が面接練習を実施しているので、本格的な雰囲気を事前に味わうことができる。大学の就職支援室は予約が取りにくい、知り合いに頼んでも客観的なジャッジが得られない…とお悩みの方にとって、ハローワークはうってつけの練習場所だと思う。


 「ハローワーク」という響きを聞くと、ネットで有名な「いままで何してたんだ?」の政治家の画像や、無職の人が行くところ・就活でダメだった人が行くところといった負のイメージを連想する方もいらっしゃると思われる。しかし、むしろ新卒就活がこれから控えている大学生ほど、騙されたと思って試してみて欲しいと、私は切に思っている。



■第20章 ハロワ求人も試してみたが…


一方で、ハロワの求人は、私にはあまり向かなかった。というのも、これはエージェントが紹介してくる会社よりも、さらに採用数が少ない中小企業の割合が高まるのだ。定員1に対して応募者が5人集まるといった具合である。


 おまけに、面接こそはしてもらえるが、集団面接では全ての応募者に対して一律に、取る気があるのか無いのか分からないような会社も多くあった。体として募集は掛けてはいるが、よほど条件に合う人がいなければ採らないと言ったような、ある意味企業として健全なようで、ある意味受験生泣かせな立場の会社は、ハローワーク募集で多かった。


 就活を80戦して感じたことは、適性や能力、身体の状況に応じて、媒体の使い分けが重要だということである。


 能力もガクチカも体調も、全てが満足に行った人は自ら企業に直接応募するべき。自己肯定感が低い人や、中小の異業種の求人も拾いたい人はエージェントに。就活準備に不安を覚える人は、ハローワークで面談や練習をしてから、マイナビなりリクナビなりで、自ら企業に応募するのが賢明な策だと、経験者として私は思う。変なプライドや先入観は捨てて、自らの望む進路が取れるように、泥臭く努力していくのが、成功への近道なのではないだろうか。




■あとがき

 今回も最後までのお付き合いありがとうございます。いかがでしたでしょうか。そう言えば、私の記事の総閲覧数が、更新開始から10ヶ月で15000を超えました。平均して二週間に1記事ペースくらいだと思うんですが、ここまでご反響を頂けるとは思っておりませんでした。ありがとうございます。


 次回以降は、そんなハローワーク経由で応募した会社の面接体験談や、既卒就活の体験談についてお話したいと思います。面白いと思った方や参考になった方は、いいね・コメント・共有などよろしくお願いいたします。

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