夫に養われる妻になりたくない話
夫から生活費をもらうのが嫌いだ。
夫は異常な思考の持ち主で、「結婚したら二人のお金だから」と、自分の稼ぎから外食費や家賃を惜しげもなく払ってくれる。逆に私の収入を聞いたり、家庭に入れろとは一切言わない。
義両親も同じように、新たに家族に加わった私や我が実家に、様々な支援物資を送ってくださる。
根っからのピースフルヒューマンだ。
一方私は、自分で稼いだ分は自分のお金であり、夫が稼いだお金はもちろん夫のお金と割り切って考えてしまう。
夫婦の共同貯金は私名義だが、私に全幅の信頼を置いてお金を預けれくれる夫は控えめに言って神だと思う。
そんな神旦那相手に、言いにくかったことがある。
毎月の貯金が、止まっているのだ。
ガラッと変わった生活環境
4月に夫が転職し、私もフリーランスとして活動し始めた。
二人とも環境が変わり、収入が不安定になった。
特に夫は3ヶ月は試用期間のため、(落ちることはないと思うが)本採用まで油断はできない。毎月の収入がゼロになるか、数十万になるかの振れ幅が大きい。
一方私は、今のところゼロにはならないが、劇的に伸びるには実力が足りない。まだまだ仕込みの時期だ。
そんなこんなで結婚して3年目の春、夫婦の共同貯金はストップした。
これは由々しき事態である。
それから月日が経ち、修行期間を乗り越えた夫は無事に本採用。最近昇級も果たした。
収入は半年ごとの査定で変わるが、とりあえず雇用は安定した。
夫の頑張りに拍手である。
そんな彼に、私は非情な一言を浴びせなければならない。
「ねぇ、そろそろ貯金を再開しましょう」
夫の衝撃的な反応
かわいそうな夫氏、一生懸命働いて、税金も家賃も外食費も払っているのに、さらに貯金までガッポリ持っていかれるのだ。
嫌だろうなぁ、かわいそうになぁ、と思っている私の隣で、男気溢れる夫は、月10万×滞納月分を、即座に貯金用口座に上納した。
今の時代はスマホでサクサクできる分、逃げられない。
「なんかごめんね」と言う私に対し
「二人のお金だから」とあっさりしている夫。
彼は不機嫌になることもなく、サクッと切り替え、最新のモンハンで狩りに旅立っていった。
彼にとっては妻に数十万あずけるより、やっと購入許可が下りたモンハンの方が興味関心が高いらしい。
不思議な生き物である。
夫に養われる妻にならないために
養われたくない、というのは、もともと自分の性に合わないというのもあるが、夫との今の良好な関係を変えたくないというのも大きい。
お互いの給与が同じぐらいの状況で結婚生活がスタートしたので、今になってこんなにうだうだ考えてしまうんですよね。
養ってやってるから、とか
養ってもらってるんだから、とか
今までになかった感覚が生まれる可能性を、できる限り排除したい。
そう思うからこそ、私は在宅でも収入を得ていきたいし、きちんと生活費を折半していきたい。
今は食費と光熱費を支払っているので、次はガソリン代を払えるようになりたい。次は外食費の半分、その次は家賃。
月収100万!なんて大きな目標じゃなくて、私の目指すものはこんなにも小さい。
それでも、在宅でお金をいただくありがたさや、人の役にたつ実感、できることが増える喜びを味わうことができる今は、ささやかながら幸せな働き方なんじゃないかな。
在宅で働く今のスタイルや、夫との良好な関係を、できる限り維持していきたいと思う所存です。