コミケの戦利品を紹介していく4 C100
コミケでうれしいことがあると言えば、昔好きだった漫画の作者の先生に会える機会があること。気に入っている同人作家と話が出来るというのもあるのですが、やはり思い出補正は大きい。
かつて夢中になって呼んでいた作者がスペースにいて、間近でお話が出来るというのは、こういう場所でしか出来ないわけで。
田中圭一先生と上野顕太郞先生の共著。さいとうたかを先生の画風に合わせたパロディ同人誌。昔ながらの同人誌にみかけるスタンダードな趣を感じる。田中圭一先生といえば、ドクター秩父山などのエロコメディ漫画が代表作ではあるけれど、ここ最近では手塚治虫先生の画風に合わせてパロディ漫画を書いたら大ヒット。他作者の画風も書けてしまう「イタコ漫画家」としての代名詞になっている。
シリアスな国際的ヒットマンをふざけ倒すギャップは、まさに同人誌でしか出せない。こういうパロディは昔から見かけていたけれど、最近ではこの手の作風は見かけなくなってしまった。もはや、この作風は昔ながらの醤油ラーメンのようなものになってしまっただろうか。
Moo.念平先生のイラストエッセイ「Moo.念平がやってきた!」をまとめた完全版。この本は今年の4月に亡くなられた藤子不二雄A先生の追悼を込められている。念平先生は藤子不二雄賞がなかったら、デビューをしていなかったと語る。このサークル、ネオユートピアは藤子不二雄ファンサークルで’87年から’07年の20年間のイラストエッセイの他に念平先生がドラえもん25周年で描いた「あまいぞ!ドラえもん」も掲載。
のび太君との諍いで4次元ポケットなしに暴れん坊に勝てると口にしたドラえもん。暴れん坊を探し出して、飛び込んだ先には飛び蹴りを放つ巴男吾がいた。
他作品とのクロスオーバーって、ちょっとうれしい気持ち。作者のリスペクトもあるし、キャラクターの絡みがやっぱり楽しい。だって、半分は作者の公認なのだから。
同サークルで頒布された藤子不二雄先生追悼号。藤子不二雄A先生こと我孫子先生のデビューから追いかけつつ、ファン達の追悼イラストエッセイとコメントを収録した厚い本。
日本の漫画文化の背骨が手塚治虫先生なら、藤子不二雄先生は筋肉になるだとおもう。イラストエッセイには我孫子先生と出会いのあったエピソードが描かれていて、我孫子先生との人柄がとても伝わってくる。作品だけでなく、プライベートで出会った人たちにも影響を与えていた。
今年の4月に訃報が速報で流れた時、なにげにびっくりしたのだけれど、もしかして流行病かと思ったら、そういうものでは無かったらしい。おそらくは天寿を全うしたのだろう。
笑うせぇるすまん、面白かったですね。当時ドラえもんやパーマン、忍者ハットリ君などの子ども向けの作品しか知らなかった自分に喪黒福造は衝撃的で、少し大きくなっていた自分にとってはこのビターなテイストはとてもおいしく感じました。
この作品は遺伝子が引き継がれて、この先もブラックユーモアを交ぜて、世間の隙間を見せてくれる作品が現れるんでしょうね。
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