覚醒下開頭手術の覚醒具合は握力で計れるぞ

覚醒下開頭手術って、それほど珍しい手術法でもないのかなって思うけれど、脳神経は取り返しのつかないところを切ってしまったりするともとにもどせなくなるから、出来うるならやった方がいいのかな。

目が覚めた状態で自分の脳をいじられているという、とてもグロテスクな状況なんだけれども、脳は痛覚が無いので頭が痛いとは思わないのよね。
映画「ハンニバル」では、レクター教授が生きている男の脳を切りとって、ソテーを作るというシーンがあって、脳を切られても男は生きているというおぞましいところはもう地上波では流れないかもしれない。午後ローがワンチャンやってくれるだろうか。

患者にバイオリンを弾いてもらって、危ないところを触ったら、異常がわかる。覚醒している状態で何か知的な神経活動を常時行っていないと、その瞬間がわからない。覚醒下開頭手術は触れてはいけない部位に触れたときに本人が活動していないと異常が看取れないのだろう。だから、手術中にずっと何かをしてないと行けないのかもしれない。でも、将棋とかさせても、身体は動かないままだから、打ち間違えたときに、それはいけない部位を触ったのか、ただの悪手を選んだのか、わからないし。


京都大学の大学院医学研究科博士課程学生、他教授の研究グループは開頭脳腫瘍摘出術を受ける患者において、覚醒下の神経をモニタリングするときに、覚醒度の指標として握力が有用であると明らかにした。

覚醒下開頭手術は一度全身麻酔をして、頭を開けて脳を露出した後、麻酔を止めて患者を覚醒させる。
覚醒した状態で高次脳機能検査、運動機能の評価をしながら腫瘍を摘出する。
だけど、どれくらい覚醒しているかが本人の自覚だけでは評価のしようが無いわけで。

そこで握力に着目した。握力は四肢筋力の代表値として知られていて、握るだけで測定も出来る。
患者の健側の握力が75%まで回復するのを待って、良好な覚醒度を確認することが出来るとのこと。患側と健側との握力の違いで術中に運動機能障害を認めた場合も覚醒が悪いのか、運動麻痺が起きたのか判別することが出来たという。

つまり、バイオリンが弾けなくても、握るだけで術中の機能障害の判別が出来たよ。

そのうち、覚醒下開頭手術をライブで放送する配信者が現れるかもわからんね。ときどき、「あっ、あっ」とか言っちゃうの。ちょっと怖いけど、アクセス増えそうだ。


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