火星でヘリコプターが飛んだのがすごかったわけ
前の日記にも書いたけれど、今回の火星探査のミッションで注目されていたのが、インジェニュイティという小さなヘリコプターが飛ばせるのかと言うこと。
地球以外の惑星で無線による動力飛行ができるかという世界で初めての挑戦。
ヘリコプターは飛ぶものとみんながそう認識しているけれど、月では飛ばせない。なんでか。空気ないから。飛ばすためには空気が必要で、ヘリコプターのローターが高速回転して、空気を切る勢いで揚力を得ないと浮かない。
火星は大気がとても薄い。どれくらいかという地球の100倍薄い。火星の大気圏で飛ばすためには地球では10万フィートの高さで飛ばすことを想定しなくてはならない。およそ地上30キロメートル。
商用のヘリコプターは3万から4万フィートを飛行している。記録の上では42000フィートとのこと。地球で使う高度の3倍近くの高さを飛ぶ条件で作らなくては。
そして、地球の重力より1/3なのが火星。これはヘリコプターを飛ばすにはちょっとだけ有利になる。でも、ちょっとだけ。
インジェニュイティは2つのローターをどのヘリコプターよりも速く回転させる。一般的なヘリコプターのローターの回転速度は毎分約400-500回。しかし、インジェニュイティは2400回だ。速い。
そして、羽がとても大きい。インジェニュイティの大きさはティッシュボックス程度に対し、ローターのブレードの先端から先端までが1.2メートル。おもちゃとして扱うにはちょっと怖いね。
一つの偉業を成し遂げたと言ってもいいだろう。
いずれは人間もここに移住する。その頃にはたくさんのドローンを用いて、複雑な遠隔作業が調査や建築に役立つだろう。羽根の大きいドローンが火星の空を飛び回るんだろうか。
ジェット機の出番は大気が薄いから大気圏を越えるくらいしかないかな。