片足を失ったワシに金属製の義足を移植したよ
義手、義足を作るところがなにげに近所にあったりして、国内の義手義足の市場規模ってどのくらいなのかなとふと考える。
調べてみるとそれ売り物になっていたので、調べきれなかった。まあ、そりゃそうか。最新の義手義足はコンピュータで動きを制御しているという、なんとなく当たり前に感じてあまり驚きを感じない。
膝関節の義足が存在していて、膝自体かなり複雑な構造をしているから、プラモデルみたいな単純なものでは、歩くのが大変。
コンピュータ制御で膝の屈伸をロックするところとか繊細にコントロールしている。ただの膝関節だったら、膝がかくんと折れてしまって、立ち上がれなくなる。バネでも仕込めばましなんだろうが、今度は曲げるのが難しくなったり。
膝関節は曲がったところで筋肉によって止められることができるから中腰を維持できる。この曲がった状態で固定できるのが膝の役割なので、どうしても制御系がないと安定しない。
人間はそういうところでまだ開発を進めているけれど、猛禽類は羽毛があるので、固定すると言うだけでも大変。
大型鳥類はその爪で獲物を捕ったりしているので、これを失うと死につながる。
ウィーン獣医学大学では右足を壊死して切断した雌のヒゲワシに金属製の義手を接続手術を行った。
このヒゲワシは巣を作るために使った羊毛が足首に絡んでしまい、壊死してしまった。医療チームが治療したけれど、足首から下を切断しなくてはならなかった。
医療チームはチタンインプラントを用いて、骨髄管を開きネジ付きのチタン固定具を挿入。高齢者が大腿骨頭を骨折したときに行う人工骨頭みたいなものね。
固定具から露出しているチタンの金属部にゴム製の足を装着した。足といっても円筒形の丸っこい形をしている。
このヒゲワシは3週間で歩行を始め、6週間後には義足として使うことができるようになったという。
なお、世界で初めての猛禽類のインプラント手術だった。
さすがにこの足では獲物をつかむことが無理だろうけれど、身体を安定させて、歩くことができるようになった。いずれはチタン製の爪のようなものができるかもしれないけれど、動かせないとかえって危険かもしれないな。