【プラスチックを分解する】ポリプロピレンを分解するバクテリアを発見したぞ
未来少年コナンというアニメで荒廃した世界からゴミの中にあるプラスチックをかき集めるシーンがあるけれども、当時はなぜプラスチックを集めているのか、よくわからなかった。なんか、資源らしいのだが、具体的なこともわからなかった。
あらすじは2008年に核兵器を超える超磁力兵器による最終戦争により、文明が滅んでしまう。そこでわずかに残った文明がわずかなエネルギーを得ようと、プラスチックをリサイクルして石油に変えていた。
現在、2008年をとっくに超してしまっているのだけれど、プラスチックは未だに人類のそばであふれているし、あふれすぎてゴミの山になっているけれど、それを再利用しようと躍起になっている状況ですらなかった。結局プラスチックごみの問題はあまり解決に進んでいる様子も見られないわけで。
オーストラリア、シドニー大学の研究チームは実験室でプラスチックを食べ尽くす細菌を発見した。
世界のプラスチック廃棄物の約1/3はポリプロピレンで、ペットボトルのキャップや食品容器に使われているが、分解には数百年かかると言われている。しかし、科学者は土壌に棲息する2種類の菌類を利用し、ポリプロ歩連を140日で分解することに成功した。
このふたつの菌「Aspergillus terreus」とEngyodontium album」は90日でサンプルの25-27%を分解し、140日後に完全に分解した。最近ではコンポストの山から発見されたバクテリアはわずか16時間でPET(ポリエチレンテレフタレート」を90%分解することができた。
プラスチックは数多くの種類があり、廃棄物として他の物質と混ざり合うと分別してリサイクルすることが事実上不可能であり、現状は焼却されるか、埋め立てられている。
実験では2つの菌が一緒になって、ポリプロピレンの顆粒や薄膜、アルミニウムでコーティングされたポリプロピレンシートを分解することが示された。
しかし、菌類がどのようにしてプラスチックを消化したのかはまだ正確にわかっていないという。
まだまだポイ捨てして、気軽にプラスチックを分解してくれるようなことはできないようだ。そんな都合のいいバクテリアがいたら、たちまち餌の宝庫である人類社会にはびこるので、ちょっと、いや大いに困ったことになるかも。
でも、このままでプラスチックごみが大きな問題であることは解決できないままだし、有効活用できる分解プラントができるだろうか。
石油に還元できたら、一番良さそうだけれど。