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【狩猟ってコヨーテを減らせるの?】コヨーテを狩ると逆に増えてしまったぞ

狩猟の目的が逆効果!?

アメリカでは、コヨーテ(Canis latrans)が家畜や農作物に被害を与えることから、狩猟で個体数を減らそうとする動きが活発です。毎年50万頭以上が駆除されているそうです。でも実は、「狩猟が逆にコヨーテを増やしているかも」という研究結果が出ているんです。

これ、どういうことかというと、「繁殖バウンス」という現象。狩猟でコヨーテの数が減ると、残ったコヨーテが「もっと頑張らなきゃ!」とばかりに繁殖に励むんですね。通常ならリーダー(アルファ個体)だけが繁殖するのですが、そのリーダーがいなくなると、ほかのメスも繁殖を始めてしまう。さらに、狩猟で空いた縄張りには、新しい個体がやってくるので、結果的に「減ったどころか、増えた」なんてことも起こり得るんです。

オオカミがコヨーテを抑えてる!?

一方で、アメリカ西部ではオオカミ(Canis lupus)の再導入が進み、一部の地域でコヨーテの個体数が自然に減っているそうです。オオカミとコヨーテは同じ餌をめぐって競争する関係なので、オオカミが増えるとコヨーテは行動範囲を狭めたり、数を減らしたりする傾向があります。例えば、イエローストーン国立公園では、オオカミが戻ったことでコヨーテの密度が半分に減ったとの報告もあります。

こうした例から、大型捕食者がいることで自然のバランスが保たれることがわかります。ただ、大型捕食者がいない地域ではそうもいかず、狩猟に頼らざるを得ないのですが、これがまた悪循環を招くこともあるんですね。

コヨーテ、街でも大活躍!?

それだけじゃありません。コヨーテは都市部にも進出しています。例えばシカゴでは、GPSを使った追跡調査で、コヨーテが公園やゴミ捨て場を利用しながら繁殖していることがわかりました。「都会の生活も悪くないかも」とでも思っているかのように、環境の変化に適応する力がすごいんです。こんな適応力を持つ動物、なかなかいませんよね。

もっと効果的な方法ってあるの?

アメリカで行われた複数の研究から、狩猟だけでコヨーテをコントロールするのは難しいことがわかってきました。ある研究では、狩猟をしなかった地域のほうがコヨーテの数が安定していたんです。つまり、エコシステム全体を考えた複雑な管理が必要ということです。狩猟だけに頼るのではなく、大型捕食者の再導入や、コヨーテの生息環境を調整する方法を取り入れるべきなんでしょう。

「都会に棲息するコヨーテはそのうちGPSで、都会のどこが一番居心地いいかまで教えてくれそうだな」
「いやいや、コヨーテに都会の居心地いい場所聞くのやめなよ!(笑) そのうちコヨーテがGoogleマップのレビュアーになるじゃん。『この公園、ゴミ箱が多くて食事に困らない★★★★★』とか書き始めんだろ。なんで野生動物に街の案内させようとしてんの?新しい不動産屋でも始めんの?(笑) もう『コヨーテ推奨物件』とかって謳い文句作るのはやめとけよ!」


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