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【骨の力で進化したコンクリート】骨の構造をヒントにコンクリートを開発したら強靱になったぞ

強靱なコンクリートは骨の構造

コンクリートと聞くと、建物や橋を支える頑丈な素材を思い浮かべますよね。でも、実はコンクリートには「脆さ」もあり、大きな衝撃やひび割れに弱いんです。そこで、プリンストン大学の研究チームが「骨の構造」をヒントに、より強靭なコンクリートを開発しました。この新しいコンクリートは、従来のものと比べて約5.6倍もひび割れに強いんです。いったい、どんな仕組みでこの耐久性が実現されたのでしょうか?

骨の秘密に学ぶ

この新しいコンクリートが目指したのは、ただ硬いだけでなく、ある程度の「しなやかさ」も兼ね備えた強さです。人間の大腿骨には、強い衝撃を受けても折れにくいよう、特殊な構造が備わっています。外殻部分の「皮質骨」は、オステオンという管のような構造でできていて、衝撃が加わると、そのエネルギーをうまく吸収・分散します。これによって、大腿骨に亀裂が入っても、広がりにくくなっているんです。この仕組みにヒントを得た研究チームは、コンクリートに同じような管状の構造を加え、衝撃でひびが入りにくい材料を作り出しました。

管状構造と破壊の仕組み

この新しいコンクリートの強さの秘密は、「段階的な破壊」という考え方です。従来のコンクリートでは、ひび割れが発生すると一気に広がって、建物全体に悪影響を及ぼしてしまうことがありました。しかし、管状構造を取り入れたコンクリートでは、ひびが広がる際にエネルギーが分散されるため、突然の崩壊を防ぎやすくなります。管状構造がひび割れの進行を抑えることで、コンクリートが一気に崩れ落ちるリスクが減少するんです。

最適な設計条件の発見

さらに興味深いのは、最適な構造条件が見つかったことです。空隙率(管の割合)40%、アスペクト比2.5という設計が、最も高い耐久性を引き出せるということがわかりました。空隙率が40%だと、強度を維持しながらひびの進行を防げ、またアスペクト比2.5にすることで亀裂が安定して進みやすくなるんです。この比率は実は人間の皮質骨とよく似ていて、自然が生み出した理想の設計を見習ったものともいえそうですね。

環境へのメリット

この新しいコンクリートの魅力は、耐久性だけでなく、環境にも優しいことです。実は、コンクリートの生産は世界の温室効果ガス排出の約3%を占めているため、ひび割れにくいコンクリートが増えれば建物の寿命が延び、再建や修理が少なくなり、コンクリートの消費量も減ります。つまり、長持ちすることで環境負荷を減らす効果も期待されているのです。

コンクリート以外にも応用の可能性

さらにこの技術、コンクリートだけでなく、他の建築材料にも応用できるかもしれないんです。研究チームは、ひび割れと管状構造の関係性をさらに探り、準脆性のモルタルなど他の素材にも同様の効果をもたらせる可能性を検討しています。また、3Dプリント技術の進展により、この特殊な構造を持つ材料を効率的に作り出すことも夢ではありません。

「研究チームが「骨の構造を真似してコンクリート作ったんだ」って説明してたら、つい「骨のある建物ですね!」って返したくなるよね。
「おお! 骨太じゃん!」
でも、その骨、実は人間の骨だったとは…。
「って、おいおい、リアルに骨じゃないか!」」


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