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コミケの戦利品を紹介していくC104 その4
まさか、ここまで大きくなるとはね。と、晴海国際展示場を知っていると今の景色を想像していた人はどれくらいいただろう。アニメや漫画ファンの集いが少しずつ共感と仲間を増やし、作家はファンを増やして、一つのビジネスモデルが確立する。10万人以上の人間が気持ちを通わせるイベントがここにある。
SNSのつながりが確固たるものになると作家とフォロワーの関係はより広がって複雑になった。表現はマンガアニメに限らず、ゲームにグッズになり、仮想現実にもなった。そのうち、現実よりも仮想の世界が広がって、現物を求めるニーズは小さくなるかもしれないけれど、無くなることはないだろう。
いまだ、世界は混沌に進んでいるけれども、希望を持つ物語をずっと手放さないでおこうと思う。そのために物語を紡ぐ作家を少しでも支える力になりたいと今は考えている。
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漫画家島本和彦先生のいつものパロディは、藤本タツキ先生の「ルックバック」にホノオが乱入する。なるたけ、藤本先生に似せていて、違和感がないけれど、真ん中の人物にやはり違和感がある。いや、余計なのが入っている感覚。
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漫画家になることを夢見ているホノオ少年。絵が上手いと自認している藤野は少し有頂天に。しかし、次号の学級新聞に投稿された京本の写実的な絵に藤野はうろたえる。ホノオも一応うろたえる。
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藤野は自分より絵が上手い京本が許せない。ホノオの漫画はつまんない。藤野はほぼ引きこもっている京本の家に行く。部屋から出てこなかった京本に、ホノオと一緒に藤野は即席で書いた4コマ漫画を描き置いていくと、京本は部屋から飛び出してきた。
京本は藤野のファンであり、才能を認め合う二人は共に漫画制作の道を歩む。いや、三人。
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とある漫画家の半生、原稿用紙に打ち込んだ青春に悲劇と再起を描いた藤本先生の大反響を得た作品に溶け込んだホノオ。最後はしんみりとさせる読後感を再現させた島本先生のみごとな手腕。だけど、このテーマはずるい。絶対に笑うでしょ、表紙見たら。
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日本の河川を中心に伝え広まっている河童伝承。河童とは何者か、子供の頃にたくさん聞いて覚えているのは、水木しげる先生の作品による影響も大きいだろう。河童は川で泳いでいる人間の足を引っ張って、尻子玉を抜いていくという。
この本はあらゆる書籍から掲載された河童伝承をより集めて、独自のイラストと出典に大まかな説明が載っている。
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河童の所業は人間に害を及ぼしたり、相撲を取ったり、便所で尻を触り腕を切られたりしたりなど、枚挙に暇がない。河童の肩の骨は一本でつながっており、片方を引くともう片方が引っ込むとか、どこかで聞いた覚えがある。
ところで、なんでキュウリが好きなんだろう。
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河童の女総帥とされている子ヽコは堤防を崩して水害を起こしたり、子分を使って馬や子供を溺れさせたりしていたという。しかし、加納家の祖先に皿を割られてしまい、悪事はもうしないと約束したという。この加納家というのは江戸時代に川奉行についていた。このエピソードはどこかで聞いた覚えがある人も少なくないだろう。
また、柳引八幡宮の柱のメドツはなんと測量の際に使った木材を捨てようとしたら河童になったという。メドツとは河童のこと。この河童は木で出来ている。
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図鑑はやはり大きい方がいい。ぱっと見開いてその図画に圧倒させ、テキストを読ませていくスタイル。
令和になっていても、妖怪などの人外の存在は世界中で物語として語り継がれている。河童は実在するのか、人に想像がある限り、妖怪は今でも現れるだろう。むしろネットは噂を呼び、仄暗い闇の中にいくらでも人身を脅かす種はまかれているだろう。
河童の仕業で尻子玉を抜かれるというのが、有名なところであるけれどどうやら溺死した際に死後硬直が解けて、肛門が開いてしまっている状態を指しているらしい。また、河童に足を取られるというのも浅い河原で水底が目視できずに躓いて水流に足を取られたことではという説もある。
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生成AIによるイラストがあらゆる場所で見られるようになった。自分の記事にも生成AIを使ってサムネイルを作成している。
いまなお、生成AIによる問題が熱く議論されているが、使ってみたいという人も少なくないだろう。自分に画力があったら、もっといろんなことが出来ると思う人は、様々なAIサービスに手を着けているだろう。しかし、思ったほどにうまく絵を描いてくれない。そう感じることが大半だと思う。
生成AIをつかって、人並みに画像を作れるようになったことで、それを収入につなげている人も少なくない。でも、具体的にどうやっているんだろう。そのヒントがこっそりと、いや普通に本屋さんでも売っている。
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学習AIに対しての反発が高まっていく昨今。クオリティが安定して、生産力もあるAIアートによって、AI作品は需要に応えられることができるようになった。卑しい言い方になるとこれは金脈であり、金脈を掘り起こすスコップとつるはしを売る人にも大きな恩恵が得られる機会が来ている。
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いまでも、一目見ればこれはAIかな? って、わかることもあるけれど、だいたい生成AIのイラストは上手すぎるので、感覚的に気がつける。しかし、手の抜き方を覚えたら、正直判別が出来なくなる絵も増えていくだろう。きっと、将来はもっとわかりにくくなる。個性をよりとがらせた作家しか生き残れない時代が来るのかもしれないと考えてしまう。
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以前にカードゲームを作ったことがあるけれど、画力が至らなくて人目を引くものが出来なかったと自覚している。こうして、完成度の高い生成AIでカードのイラストを描かせれば、おそらくもっと人目を引けたかもしれないと思う。もっと、SNSの広報もやるべきだったけれど。
こうして、生成AIをつかってカードゲームや文章書きの同人誌の表紙を任せているところも少なくないだろう。また、カードゲームなど作りたくなったら、生成AIにぜひ頼みたい。そのときは、また覚えることが増えているかもしれないけれど。
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日本のオタクコンテンツは海外にかなり浸透するようになってきた。全世界において、日本のアニメや漫画、ゲームが1990年代以降の絵柄が進出し、独自のコミュニティーや市場を形成しているとのこと。
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日本との経済的関係が強く、距離的にも日本に近い東アジア、東南アジアは文化的にも共通性が強い。タイムラグが少ないので日本のコンテンツが波及するスピードが速いという。また消費者も多いのでオタクカルチャーが浸透し、多くのクリエーターが生まれる土壌が出来ている。タイ・バンコクにもガンプラ専門店とアニメイト提携のカフェがある。
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ヨーロッパでも日本の漫画やアニメが翻訳されて消費しており、その中でもフランスとイタリアが人気の拠点になっていると筆者は述べている。領国は元々大人向けのコミック文化があり、安価な日本アニメが輸入されて1970年代には躍進した。
しかし、90年代に有害コンテンツ騒動が起こり一時的に苦しんだ経緯もあった。けれども、その後は盛り返してフランスは随一のマンガアニメ市場になったという。なお、ドイツで出版されているコミック図書の7割が日本漫画である状況。
そして、メキシコではマジンガーZが大ヒットし、その後は聖闘士星矢がまた大ヒットしたという。そしてドラゴンボールが社会全体に広く浸透したそうな。中東でもキャプテン翼、未来少年コナン、ドラゴンボールなどが広まったという。
日本アニメが安価だったということもあり、世界中に放映されていたことが、今のオタクカルチャーの土台を築き上げてきたんだろう。90年代は特にアニメや漫画にのめり込んでいた時期でもあり、自分が好きだったものが国際的に受け入れられているのはむず痒くもうれしくなる。
日本アニメ作品が国際的に大ヒットを起こしたのは、安価に売っていたのが一つの要因であるけれども、作者をはじめ編集やデザイナー達が面白いものを作ろうと真剣に向き合っていたものが結実したものが、海を越えてよその国の人たちにも響いたことは間違いない。そして、安価で広めることが出来たのは作家やアニメの現場で安い制作費で済ませていたという遠因もあると考える。
現場から見たら、しんどい待遇の元で創ってきたものが、皮肉にも世界で広めるためのハードルを下げ、まいてきた種が実を作り、今になって未来の創作者達に還ってきたのかもと思う。
創作ははっきり言ってつらいものでもあるけれども、創作の心理的ハードルを下げているのは、コミックマーケットをはじめとする同人誌を頒布できる場所の存在が大きいと考える。さまざまな表現を受け入れている同人誌の世界で日本のコミックマーケットほど大きな箱はあまり見かけていない。もちろん、一部の表現を制約されており、外国よりも規制が厳しいところもあるけれど。
成人向けコンテンツサイトにクレカ決済を停止されてしまうなど、まだまだ風当たりがきつい状況が続く。これからも、表現を抑圧する逆風がやってくるだろう。それでも、広い裾野を保ち続けて自分のスキを発信できるこの場所は末永くあってほしいと願う。
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