【世界で初めてウジの選定法】マゴットセラピーに使うウジの評価法を確立したぞ
映画グラディエーターで主人公のマキシマスは大けがを負って、運ばれるシーンがあるのだけれど、ケガした部分にウジがたかっていたのでそれを払おうとすると、黒人の剣奴がそれを制止するシーンがある。ウジは腐った部分を食べてくれると。
昔のひとはハエの幼虫であるウジは腐った部分を好んで食べてくれるので、そうすることで傷が治りやすいことを経験的に知っていたらしい。
医療用ウジというのがあって、糖尿病などで壊死してしまった部分をウジに食べてもらう治療法がある。腐った部分だけを切除するのは、とても難しい。生きている部分と境目がよくわからないから。でも、ウジなら生きている部分以外を残さず食べてくれるので、壊死した部分が取り除かれて、治りも早いそうな。
ドクターフィッシュというのもあるけれど、そういう老廃物や無駄な部分を食べてくれる生物がいる、自然界はお互いに共存できる仕組みを受け入れてくれる。
東京慈恵会医科大学熱帯医学講座、同大学形成外科学講座、法医学講座の共同研究で、マゴットセラピーに適したウジの選抜、及び人組織に用いたウジの評価方法を世界で初めて確立した。
組織の腐った部分を食べてくれるウジ治療は、潰瘍や難治性創傷に効果がある方法。抗生物質の多様乱用により、抗生物質が効かなくなってしまった耐性菌が増殖している現代において、このウジ治療ことマゴットセラピーは医療的効果が見直されている。
しかし、使われる医療用ウジの系統について、十分な検討と評価がなされていなかった。それまでは、医師達のいわゆる目分量というやつで採用されていたんだろうと考える。おそらくは思った程にウジが患部を食べてくれないという状況が散見したのだろう。
これを今回世界で始めて、医療用ウジの評価法を確立したことにより、マゴットセラピーの治療効果が飛躍的に向上することが期待される。よく効くウジの選定方法がガイド化されれば、ウジのご機嫌次第で左右された医療の現場でも、一定の効果が得られるであろう。
いずれは大きな総合病院の形成外科にも医療用ウジが備えられるだろう。そいや医療用ヒルには評価法があるのかな。