【プラスチックを完全分解】ペットボトルも分解できる触媒を見つけたぞ

ペットボトルの飲み物をよく飲んでいるけれども、捨てる時はちゃんと分別をするようにしている。

自販機の傍らに置いてあるゴミ箱にはとなりの自販機から買ったであろう飲み物の空き容器が入っているわけだが、
たまにくず入れだと思って、ただのゴミを捨ててある時がある。そのときはもやっとするわけで、どうせ誰かが捨ててくれるだろうという、責任感のない態度が見えて、イラッとすることがある。

きちんと分別をすれば、その他のゴミをわざわざ分けることもなく、リサイクルに回すことが出来る。リサイクルの現場は見たことないけれど。

リサイクルをしても、まんま同じ材料で作ると言うことではないらしくて、大半は何かもっと別のモノに変わるらしい。

それがマテリアルとしての最後の姿なのか。自然に分解するには100年はかかるようなので、そんな廃棄物が人間よりは長く存在している。


国立大学法人東京農工大学大学院工学府応用化学専攻、同大学院工学研究院応用化学部門、大学院工学研究院応用化学部門の研究チームは、東京都立大学大学院理学研究科との共同で、ポリエステルを単量体に戻す触媒反応を開発した。

どういうことかというと、プラスチックを分解する触媒を開発した。

現在は廃プラスチックが自然界で分解することが難しく、東アジアを中心に河川から海洋に流れている。

2020年度の国内廃プラスチックの総排出量は822万トンと推測されている。国内でプラスチックをリサイクル率は86%とされているけれど、溶解して同じ素材として利用するマテリアルリサイクルが21%、分解油やガスとして利用するケミカルリサイクルは3%とのこと。残り63%はサーマルリサイクルと言う方法で、燃料にしている。つまり、半分以上は燃やしている。

ポリエステルは様々なモノに使われている知名度も高い汎用性高分子で、世界で大量に使われているプラスチック。ペットボトルのエチレンテレフタレートも大量の強いアルカリ性で分解できるけれど、中和するために大量の酸が必要だった。
結局、分解するにはとにかく材料がいっぱいいる。

今回の研究で、酸とアルコールにより、水が脱離して生成する反応を縮合反応呼ばれる反応の1つがある。この反応により、生成する構造をエステル構造と呼ぶ。
ポリエステルがジカルボン酸と呼ばれる単量体とジオールと呼ばれる単量体との反応によって合成され、エステル構造が繰り返されている点に着目。

このポリエステルのエステル構造をメタノールなどの低分子量のアルコールで次々と交換して置き換えれば、最終的にはカルボン酸のメチルエステルとジオールに分解できるという。

ここからは、さまざまな触媒でどんどん試していく。すると、希土類元素のランタンの錯体が触媒として有効だと発見。

この反応は市販のメタノールでも使用することが出来て空気中でも反応が出来るという。

同様に市販のペットボトルでも単量体に完全分解することがわかった。これは安価な触媒と溶媒のみで分解できるので、実用性の高い反応だった。

まだ、実験室レベルの話だけれど、完全分解できると言うことはプラスチックをもっと広い範囲で使える化学物質まで作り出せる程に分解できる。これが本当にリサイクルというモノ。

こういう有効な触媒を探すためにたくさんの失敗を作ってきたわけで、地道に正解を見つけていく研究職の方々には頭が上がらない。

分からないことにルールを探す。このくっそ地道な努力を、科学って呼んでるだけだ

Dr.STONE


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