拳児2を読んだで。
単行本とセミハードカバー版も持っているので紙書籍で買いましたよ、もちろん。
拳児2はトニー譚と決闘のあとに年月が流れて、皆が成人して家庭を持ち、それぞれの人生を歩んでいる後日談的な話ですが、
拳児は技の研鑽を続け、社会の流れに気にする様子もなくわが道を歩んでいるところ。中華街で占ってもらったときは英雄の相があるみたいなことを言われていたので、それなりに社会を動かす大物になっていたのではと思ったりもしたけれど。
いじめの相談や中華街のトラブルにも格上の貫禄を見せてくれたけれど、ホントに後日談という以外にまとまらない。
この企画がもっと反響あったら続きもしたのかもしれないけれど、正直盛り上がりが欲しかったなぁと感じる。トニー譚はどうしているんですかね。
トニーは麻薬密売や金融系のインテリヤクザの上に立って、実力に裏付けされた威風と度胸でガンガンのし上がっていて、しのぎの邪魔をされたロシアン・マフィアと1戦交えてボスのシステマ使いに心意六合拳で迎え撃つとかね。
拳児の親が詐欺にあってしまい、トニー支配下の暴力団系列のオレオレ詐欺を捕まえようとして、金の受け取り係に会ってみたら、洪家拳の使い手でふん縛ってみたら、トニーが生きていたことを知るとか。
拳太が屈辱的な出来事に一念発起して、正式に八極拳を学び、拳児も初めての弟子の教育に戸惑いながらも、拳太は人格的にも技能も少しずつ成長していくビルディングロマンとか。
まあ、拳児の続編が読めたことだけでも、嬉しいですけどね。
剛拳児が祖父から学んだ八極拳により様々な縁を導かれて、成長をしていくストーリー。
強い相手でも立ち向かう勇気、何からも学ぶ謙虚な態度、義を重んじ友を助ける律儀さなど、多くの人に信用され大成する人格ですね。
ただの格闘技漫画の枠とは異色に映える作品で、SNSでの薄い関係でつながっている今の社会にはあまり見られない、拳の交わる絆というものが描かれています。まー、作品は携帯のない時代ですから。
たまに読むと止まらなくなってしまう名作なのです。
言わずもがなかもですが、バーチャファイターを初めとして、一撃必殺の八極拳を広めたのはこの作品なんですよ。