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子どもの問題を妻のせいにしても、解決しません

●ゲームばかりで、勉強をしない
●兄弟間で仲が悪い
●子どもが学校に行きたがらない

あなたのお子さんについて、問題や悩みと感じることはありませんか?

ぼくは、長男が小学校の際に、友だちとの不仲になったことがきっかけに、言葉がしゃべれなくなるということがあり、そのときは、本当に心配でした。(当時は、よいカウンセラーの方との関わりで、問題は解消することができました)

前々回、前回の記事で、

●僕たちは、夫婦や家庭で問題やトラブルが発生したときに、つい相手のせいにしたり、犯人捜しをしたりする。

●その背景に、「Aという問題を生み出した原因はBだ」(直線的因果論という僕たちの「ものの見方」がある。

●人間関係の問題は、常におたがいが影響し合っていて、その相互影響の関係性の中でその家族や夫婦特有のパターンが生じるのであり、どっちか一方だけが原因になっているわけではないと考る必要がある(循環的因果論)。

ということを、僕と妻の例を用いながらご紹介しました。


この循環的因果論は、家族心理学における大事な考え方です。

これは、夫婦の問題だけでなく、家庭内の子どもの問題でも同じです。

今回は、子どもが不登校になったケースで考えてみましょう。

「その子が内向的な性格だから(原因)、不登校になったのだ(結果)」とか、
「母親の育て方が悪かったから(原因)、不登校になったのだ(結果)」とか、

こんなふうに考えるのが、直線的因果論です。

あるいは、

「母親の育て方が悪かったから(原因)、子どもが内向的になり(結果)、
子どもの内向的だから(原因)不登校になったのだ(結果)」

と考えるのも、直線的因果論です。

家族心理学に基づく療法を、家族療法もしくはファミリーセラピー
といいます。

子どもの不登校に関しては、特に母親が深く傷ついているケースが多い
と言われています。

「子どもが不登校になったのは、親である私の育て方が悪かったからだ」

という直線的因果論で捉えてしまっているのです。

母親本人だけでなく、その夫や両親や教師や友人までもが
母親が原因であるということを、信じているケースも珍しくありません。

結果として、母親だけが一人で責任を背負い込んで、
孤独に苦しんでいる
ケースが多いのです。

家族心理学を学ぶと、その母親が悪いわけではないということが
わかります。

ですが、先ほども述べたように、
僕たちは、直線的因果論でものごとを考えてしまう傾向があり、
犯人さがし(原因さがし)をして、犯人(原因)を特定したくなる

わけです。

しかし、実際のところ、人間関係の問題や家族の問題においては、
直線的因果論による原因特定では、問題解決に至らない場合が多い
のです。

犯人(原因)らしきものを見つけて、それを変えようとしても、
実際はうまくいかず、行き詰ってしまうケースがとても多いのです。

「子どもが不登校になった原因は、親の育て方が悪かったからだ」
といった直線的因果論で問題を捉えるのではなく、

視野を家族全体に広げて、家族内の様々な関係性を包括的・全体的に
見ていく円環的因果論(循環的因果論)で家族全体を見ていく必要がある
のです。

家族療法においては、
子どもと母親の関係、子どもと父親の関係、だけでなく、

両親の夫婦関係、両親と祖父母の関係、子どもの兄弟姉妹関係、
など、様々な関係が複雑にからみあう、システムとして家族を捉え、

「家族システムのバランスの歪みを表面化する役を、今は子どもが引き受けていて、不登校という形で表現している」

と考えます。

家族療法においては、症状や問題行動を起こしている人のことを、
IP(アイデンティファイド・ペイシェント)と呼びます


これは「患者とみなされている人」、
あるいは「患者の役割を担っている人」という意味です。

上記の例だと、不登校の子どもがIPということになるわけです。

症状や問題行動を起こしている人(IP)は、実は「患者」なのではなく、
「患者の役(家族全体の問題を表面化する役)を担っている人」
なのであり、

家族システム全体のバランスを調整できたなら、症状や問題行動を起こす役(患者の役)を担う必要がなくなるわけです。

このような考え方にもとづいて、家族療法では、家族各人どうしの関係性や
家族システム全体のバランスを見ていき、そこにアプローチしていくことによって、結果的に、IPの症状や問題行動を解決していくのです。


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