パートナーが毒親育ちの場合に知っておきたい「虐待のトラウマ」への対応
子が親から受けた虐待のトラウマは、大人になっても当事者を苦しめ続けることがあります。
僕の妻も毒親育ちで、結婚して20年以上経過しますが、未だに、日常のあらゆる場面での生きづらさとなって症状が現れています。
パートナーが毒親育ちである場合、そこで必要なことは、「理解」です。
ところが、特に、健全な親元で過ごした場合、親が子どもに虐待を行うというのは理解しがたいことがあります。
今回は、朝日新聞に掲載された、精神科医の片田珠美さんのコメントから、毒親のトラウマへの対応策についてご紹介します。
片田さん自身、自らも「毒親」の支配に苦しんだ経験をお持ちです。
子どもを虐待する親の心理状態
虐待する親は「子どもは自分のもの」とみなし、支配欲や所有意識が強い傾向がり、そしてその支配方法は、三つのパターンにわけられるとのことです。
一つ目は子どもの罪悪感をかき立てるもの。
たとえば母親が「お前を産むために私は仕事を辞めなければならなかった」などと言う。
すると子どもは「恩返しをしないと」という思いにとらわれ、コントロールされやすくなります。
二つ目は、親の「敗者復活戦」を子どもにやらせようとするもの。
自分が行けなかった良い大学に行かせようと、子どもの意思を聞かずに無理な教育を強いるのが典型的な例です。
そして最後に、「お前のため」という言葉でコントロールを正当化しようとするものです。
実際は教育虐待と思えるような行為であっても、そうした言葉によって覆い隠そうとするのです。
ちなみに、僕の妻は、一つ目の支配です。妻の両親は不仲でしたが、その原因を妻のせいにしていました。なんともひどいものです。
片田さんは、この支配の背後に、親の満たされない承認欲求があると考えています。
自身が抱いている不全感を子どもによって「一発逆転」し、解消しようとしているということです。
また、こうした支配が、近年は巧妙化しているように見えるとしています。
昔と異なり、子どもを殴ったり怒鳴ったりすれば、虐待とみなされ通報されかねません。
第三者の目に明らかな、虐待と映る仕打ちに対する社会の認識は変わっています。
また、少子化によって子どもの数が減り、ひとりあたりの子どもにかかる親の期待は増加。
さらに学歴社会であることもあり、外からは分からないように平穏を装いつつ、親の願望をかなえるため、子どもに教育虐待を行うというケースが多い印象とのことです。
ちなみに、片田さんご自身も、親からの強い支配があったことを著書の中で明かしています。
文学部に進んで作家になるのが夢だったにもかかわらず、両親は医師以外の進路を許しませんでした。
後になって思いを母にぶつけると「医学部に行けば苦労しないと思ったから」と、悪びれる様子がなかったとのことです。
この「悪びれる様子がない」というのは、僕の妻についても同じです。
過去の妻に行った虐待について、事実ベースをもとに、こういうことをしてきましたよねなどと伝えてきましたが、本当に悪びれることなく、あたかも全く覚えていないかのように、「そんなことしたかしら」「そんなことないんだけどね」という反応でした。
片田さんは、そこで、「この人は変わらないんだ」と諦めたということです。
相手は変わらないと諦めるということも重要に感じます。
虐待のトラウマの影響と対応策
子どもの頃に受けた虐待のトラウマは、その人の人生にどのような影響を及ぼすか?
過去のつらい記憶を、多くの当事者は心の奥底にしまい込んでいるが、抑圧された感情は必ずどこかで出てくるものと片田さんはいいます。
うつになることもあれば、薬物やギャンブル、買い物や過食・嘔吐(おうと)など、様々なものに依存することもあるとのことです。
僕の妻は、様々な症状がありますが、そのうちの一つは悪夢です。たとえば、母親にいじわるされたことや、母親に対して殴りかかろうとするが、どうしても殴れないという夢を、見ることがあります。結果、悪夢を見るときは、その後不眠となり、翌日の日中もそのダメージが出ます。
トラウマとの向き合い方として、以下の方法を片田さんは提示しています。
まず、言語化です。
言語化とは、自分の中で抑圧してきた怒りをはじめとする負の感情を見つめ、何らかのかたちで言葉にすることです。
精神科や心療内科を受診や、他人に話すことへのハードルが高ければ、ひとりで書いてみるだけでもよいと勧めています。
僕の妻は、幸い本当にすばらしいカウンセラーと出会い、そこでの継続的なカウンセリングを通じて、少しずつ癒やしを得ています。
また、負の連鎖は自分で断ち切るのだという自覚を持つことも大事と片田さんは伝えています。
それは、たとえば、自分が親から受けたのと同じ仕打ちを子どもに繰り返すのは恥ずかしいな、と思うように努めることです。
この点について、僕の妻は、まさに負の連鎖を断ち切るという覚悟を、結婚前からもっていました。
そして、その覚悟をもとに、少なくとも子どもは妻が感じていたような生きづらさを感じることなく、育つことができました。
また、片田さんは、「親を許さなくてもよいのだ」、と思うことが重要としています。
親を許さないことに対して後ろめたさを感じるかもしれないが、変わる見込みのない親を無理に許しても、自分が受けた苦しみを忘れられるかというと、そうではない。つらい記憶は消えてなくなるわけではない。
であれば、許せない自分を責めるよりも、親を許さない、という選択肢を持つべきではないでしょうか。と言っています。
この点について、親の虐待を受けた側しか、わかり得ない境地かもしれませんが、少なくとも、妻はとても共感していました。
今回の記事が、親から虐待を受けた当人、及び、そのパートナーの方にお役に立てば嬉しいです。
ぜひ片田さんについて興味を持った方は、以下の著書も手に取ってみてください。
LINE公式やっています❗
毎週、夫婦関係に役立つ"行動習慣"や"名言"をお届けしています。
今登録すると、「特別動画セミナー」をプレゼントします🎁
▼▼▼▼画像をクリック▼▼▼▼
noteでは、夫婦関係の悩みを軽くして、関係改善につなが心理学の話しを平日の月・水・金にお届けしています✉️
確実にチェックしたいという方は、ぜひフォローお願いします🙏
また「スキ❤️」ボタンを押して頂けると、書き続ける励みになります🌈
#家族#生き方#結婚生活#離婚#夫婦関係#夫婦生活#夫婦関係改善#夫婦喧嘩#夫婦関係の悩み#夫婦カウンセリング#パートナーシップ#心理学#モラハラ#心理カウンセリング#これからの家族のかたち#夫婦
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?