夫婦関係が泥沼に入る5つの悪循環
どの夫婦にも、その夫婦特有のコミュニケーションのパターンがあります。
多くの夫婦は、そのパターンを無自覚なまま繰り返しているのですが、そのパターンの中には、繰り返せば繰り返すほど悪循環を起こし、夫婦間の溝を深めてしまうものもあります。
悪循環から抜け出すためには、自分たちが陥っているパターンに気づく必要があります。
そこで、お伝えしたいのが、ミデルバーグが提唱する「カップル・ダンス」です。
「カップル・ダンス」とは、夫婦間によく見られる悪循環のパターンをダンスにたとえたものです。
社交ダンスをはじめ、二人一組で踊るダンスにおいては、双方の動きが組み合わさって、一つのダンスが出来上がりますよね。
夫婦の関係においても、双方の態度や言動が組み合わさって、そのカップル特有のパターンが生じ、それが繰り返されるわけです。
ミデルバーグは、代表的な「カップル・ダンス」として、以下の5つあるとしています。
1.「衝突のダンス」
問題や対立に直面すると、おたがいが自分を正当化して、相手を責めるパターンです。
「自分が正しくて相手が間違っている」、「自分が変わるべきではなく、相手が変わるべきだ」とそれぞれが感じています。
その結果、攻撃的な言動を繰り返し、対立関係がどんどん深まっていきます。
2.「距離のダンス」
問題や対立に直面しても、おたがい相手に対して言いたいことがありながら、相手と向き合うことを避けるパターンです。
お互い傷つくことを恐れて、無難に過ごそうとしますが、それを伝えたり話し合ったりすることなく、おたがい心の内に不満や怒りを溜めていきます。
その結果、心理的にも、物理的に距離が出て来ることとなります。
3.「追跡者と回避者のダンス」
一方が感情的に他方を追い求め、他方は理論理屈で回避するパターンです。
追跡者(追い求める側)は、感情的に相手を責めたり、自分の意見に対して強く同意を求めたり、物理的に一緒にいたがったりなど、強い情緒的つながりを相手に求めます。
回避者(回避する側)は、感情をぶつけられてもうまく対応できず、黙り込んでしまったり、論理的に考え理屈でものを言って自己防衛します。
そして、なるべく自分一人の時間の時間と空間をとろうとします。
4.「過剰責任と過小責任のダンス」
しっかり者の一方がダメなパートナーの世話役になるパターンです。
世話する側(過剰責任者)が、世話される側(過小責任者)のワガママや怠慢の尻拭いまでするため、世話される側は心理的に退行(子ども返り)し、ますますワガママ・無責任になっていきます。
アルコール依存症者と、その尻拭いをする配偶者の関係も、このパターンといえます。
このパターンは「共依存」関係ともいわれます。
5.「三角関係化のダンス」
夫婦間の問題を二人で向き合って処理することができず、第三者を巻き込んでいくパターンです。
巻き込まれる第三者には、「子ども」、「夫婦の親や兄弟」、さらに「浮気相手」や「仕事」などもあります。
もっとも良く巻き込まれるのは、「子ども」です。
夫婦間に緊張やストレスが続いたときに、そのストレスのはけ口として、親が子どもを巻き込むことは起こりがちです。
以上、代表的な悪循環のパターンを5つ紹介しましたが、あたなが心当たりあるものは、ありますか?
人によっては、一つだけではなく、複数、場合によっては、全部という方もいらしゃるかもしれません。
ちなみに僕と妻は、「衝突のダンス」と、「追跡者と回避者のダンス」をよく踊っています(笑)。
理解すべきは、いずれのダンスも、踊っているうちは、夫婦関係は良くなることはありません。
繰り返すほど悪循環に拍車がかかり、ますます関係が悪化していきます。
まずは、あたたが、夫婦で陥りがちな悪循環のパターンは何かに気づくことから始めましょう。