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パートナーに見られる愛着行動の4パターン

前回の記事で、僕たちの乳幼児の頃の愛着(特定の養育者と結ぶ情緒的な結びつき、アタッチメントともいう)が不充分であることが、成長して大人になっても、心の不安定さにつながるという話しをしました。

乳幼児期の愛着行動のスタイル(アタッチメントスタイル)は、パートナーに対する関わり方にも影響があると言われています。

今回は、アタッチメントスタイルの4つのパターンをご紹介します。

乳幼児のアタッチメントスタイル

カナダの発達心理学者のエインスワースらの研究によって、実際に乳幼児を使った実証実験の結果、アタッチメントスタイルには以下の4つのパターンがあることが分かりました。

①安定型
養育者と離れることに混乱を示すが、養育者が戻ってくると落ち着く。

②不安型(アンビバレント型)
養育者と離れることに混乱を示し、養育者が戻ってきてもネガティブな感情を引きずる。

③回避型
養育者と離れることに混乱を示さず、距離をおく傾向がある。

④混乱型
愛着行動に抵抗や回避が混ざっている。ぼーっとしていたり、養育者がいるところで混乱や不安を示す。

全体の3分の2は安定型のアタッチメントスタイルを示し、残りの3分の1は不安定型(不安型、回避型、混乱型)を示すことがわかりました。

大人のアタッチメントスタイルの4つのパターン

乳幼児のパターンに応じて、大人の愛着行動には以下の4つのパターンがあると考えられています。

①自律・安定型
他者と近い関係になることが比較的たやすく、誰かを頼りにすること、誰かに頼りにされることに心地よさを感じる。

②とらわれ型(不安・アンビバレント型)
パートナーに非常に高い親密性や承認、応答性を求め、パートナーが自分と同じようには望んでいないことに不安を感じる。

③拒絶・回避型(愛着軽視型)
自立や自己充足が重要であり、だれかに依存したり、依存させることは好まない。感情を抑え隠す傾向があり、拒絶することで相手と自分の距離を保とうとする。

④恐れ・回避型(未解決型)
近い関係を求めているものの、近くなりすぎたら傷つけられるのではないかという不安があり、相手を完全に信頼したり、依存することが難しい。

成人を対象とした愛着に関する調査の結果、幼少期に構築したアタッチメントスタイルと、20歳時のスタイルが一致している人は、全体の3分の2に当たることが明らかになっています。

逆に言えば、3分の1の人は、子供時代に構築したアタッチメントスタイルとは異なるスタイルを、発達のプロセスの中で身につけている、ということです。

子どものアタッチメントスタイルと大人のスタイルは、以下のように対応しています。

<子ども>            <大人>
安定型           → 自律・安定型
不安型(アンビバレント型) → とらわれ型(不安・アンビバレント型) 

回避型           → 拒絶・回避型(愛着軽視型)
混乱型           → 恐れ・回避型

アタッチメントスタイルの考え方

幼少期に構築したアタッチメントスタイルは、人生に渡って対人関係を構築する上で、影響を及ぼすものです。

僕の妻にあてはめてみると、普段の言動、行動から②の「とらわれ型」だと思われます。

そのようなことを理解することによって、僕が妻の意見に同意しなかったことで、極端に不機嫌になることの背景に、妻の愛着に問題があるかもしれないと考えることができます。

結果、そうなることにも事情があるのだなと、妻の一見理不尽だと感じられる言動、行動に一定の理解ができ、それほど僕自身振り回されることが少なくなりました

しかし、上記の通り、幼少期のアタッチメントスタイルと成人後のそれは一致する確率は高いものの、必ずしも固定的なものではなく、安定型が不安定型に変化する可能性も、逆に不安定型が安定型に変化する可能性もあるのです。

そのことを信じて、妻が愛着の問題を乗り越えていくことを支援していきたいと思います。

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