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海外MBA社費選考突破のカギ ~経験者が語る選ばれる秘訣とは?

皆さん、こんにちは!ぱるすたーのHiroです。
今回は社費派遣生としてシンガポール国立大学に進学されるTADさんに、社費選考プロセスについてのお話を伺いました。
狭き門である社費選考に合格するためにどんな工夫を凝らしたか、とても興味深いお話が聞けました。
社費留学を少しでもお考えの皆さま、ぜひチェックしてみてください!

※TADさんがMBAを目指したキッカケについてはこちらの記事をご覧ください!


1. 社費選考プロセスの全体像

Hiro 私は私費でしたので、そもそも社費選考がどんなプロセスで進んでいくのか分からないので、まず全体像を教えていただけますか?
TAD はい、もちろんです。まず言わずもがなですがMBAの社費選考は、将来の経営層を育てるために会社がお金を出して社員をビジネススクールに派遣するという目的で行われることが一般的です。まず大体の会社は毎年決まった時期に応募を出すと思います。そしてその後に申し込みの小論文の提出、意思決定者との面接、選考結果連絡と続くことが一般的です。例えば私の場合は6月くらいにスケジュールが出て、8月に小論文の締め切り、その1,2か月後に面接という形でした。
Hiro 全体で5か月くらいかかるということですね?
TAD そうですね、大体結果の通知まで併せて半年くらいですね。
Hiro 元からMBAを目指されていたのであればスケジュール感は事前に知っていたと思いますが、TADさんはいつから準備を始められましたか?
TAD そういう意味ですと、応募した年の1月から始めていました。元日にキャリアの棚卸し始めたのを覚えています(笑)。なるべく早く始めることが大事ですね。そして何から取り掛かったかというと、まずレジュメから書いてみました。社費選考の中では自分のこれまでのキャリアの中で何を頑張って、どんな力をつけてきたのかが必ず聞かれます。だからまずはそこを固めるところがスタートだと思ったんですよね。

2. 逆境を乗り越えるカギ - 熱意を伝える学校研究のススメ

Hiro いろいろな事前準備をされている印象ですが、社内選考を勝ち抜くにあたって苦労したことはありましたか?
TAD 正直、属性の弱さはとても心配でした。具体的には「①20代②国内法人営業」という属性ですね。一般的には30代の方が通っているイメージでしたし、業務に関しても海外経験がない純ドメよりは海外事業部に在籍しているほうがストーリーを作りやすいと思っていました。
Hiro なるほどです。ではそのような逆境の中でも勝ち抜くことができたのは、どこが刺さったからだと思いますか?
TAD 結論としては骨太のストーリーを作成したことだったと思います。幼いころから遡って、なぜ高校や大学でこんな勉強をしたのか、どうしてこの企業に入社して、なんで今の仕事をしていて、今の仕事の中でどんなことを課題に感じていて、これから何をしていきたい、というストーリー性をかなり練りに練ったのはひとつのポイントだったかと思います。また、これもストーリー作成に関係しますが、MBAを受験するレベルでの学校研究を社費選考に応募するタイミングで行っていたのは大きかったと思います。
Hiro 普通はその段階では皆さんあまりされていないんですか?
TAD おそらく...笑。なので逆にこのタイミングで綿密に学校調査を行っておくのはひとつの差別化要因になると思っています。
Hiro でも確かにこれからどう転ぶか分からない中で明確に「この学校に行きます」というのは言い辛いところもありますよね。
TAD 確かに先に言ってしまうのは諸刃の剣だと思います。ただ、強い気持ちを持って社費選考にも臨んだ方がいいのではないか?そのために志望校も固めておいた方がいいのではないか?というのが個人的な意見です。
Hiro 確かに「意志の強さ」「熱意」はその分伝わりそうだな、という印象を受けました。ちなみに他に何か準備したことはありますか?
TAD 熱意に通ずる部分として、英語のスコア等を少し準備しておいて現状の可視化をできていたらプラスになると思っています。これは会社によっては社費を受ける際の足切り要件になっていたりするので、その場合はそもそも準備しないといけませんが(笑)。例えばTOEFL100点ないとそもそも社費を受けられないとかもあるみたいですね。

3. 強みとなった「一歩先まで踏み込んだストーリー」- 壁打ちで磨いた自らの仮説

Hiro 先ほどと少し質問が被ってしまいますが、社費選考で評価された強みの部分はどこにあったのでしょうか?
TAD かなり自分のキャリアパスやWhy MBA・Why NUS・Why Now・Why Youを固めていたので、だいぶ骨太のストーリーを作れたことだと思います。
Hiro 具体的にはどういうところがポイントだったのでしょうか?
TAD 経営課題を踏まえたストーリーを上手く織り込めたということです。準備の過程で社内・社外のMBAホルダーの方30人くらいに話を聞きました。もちろんNUS卒業の方もいました。その方々と面談してもらう中で、自分の仮設をぶつけに行くということを繰り返し実施しました。それによって思考、自分の描いているストーリーをシャープにしていくことができました。人への親切と一緒で、社費選考において壁打ちはやればやるほどいいと思います。あと、とても良かったのがトップマネジメントを経験されている方に仮説をぶつけに行った時の経験です。その方にぶつけるまでは、自分のやりたいことは、(ぼかさざるを得ないので実際にはもっと具体的ではあるものの)ざっくり海外で自分の関心ある事業を広げていきたい、くらいの内容で止まってしまっていたんですけれど、その方との議論の中で、大きなヒントが得られました。詳しくは話せないのですが(笑)。それを踏まえてストーリーをブラッシュアップして選考に臨んだところが良かったのだと思います。やはり色々な方にお話を聞くのはとても大事なことだったと思います。
Hiro それはなかなかいい機会でしたね。これから社費を目指す人もこれくらいやるとかなり選考通過の確度もあがってくるのではないかと感じました。

4. 社費選考がMBA本試験で役に立ったこと

Hiro それでは最後の質問ですが、社費選考の準備の中で、MBA受験本プロセスで役に立ったことはありますでしょうか?
TAD エッセーには非常に役立ちました。繰り返しになってしましますが、社費選考の段階でストーリーをうまく組み立てることができたので、エッセーの準備はかなり楽でしたね。社費の小論文では、会社の成長をゴールにストーリーを描いていましたが、受験で実際に学校に提出するエッセーではその部分を、社会への貢献だったり、クラスへ与えるインパクトのような観点に転換する作業くらいで済んだのでラッキーでした。
Hiro これは人に拠るかもしれませんが、私のように私費の方はしっかりとストーリーを組むのはエッセー準備のタイミングでやるものだと思っています。なので社費の方のアドバンテージはこの部分にあると思っています。早めのタイミングで苦労した分、後が楽になるというかそういう感覚かな、と。
TAD 本当にそうだと思います(笑)。
Hiro スコアメイキングとか忙しい時期に考えることを増やしたくないですよね(笑)。
TAD GMAT/GREと並行してエッセー対策をイチからやっていたらやばかったと思います...。
Hiro Why MBAやWhy NUSに関してはほぼそのままって感じですか?
TAD ほぼそうですね。社費選考以降ストーリーが変わることはなかったです(笑)
Hiro インタビュー対策も社費選考の準備だけで大丈夫でしたか?
TAD
 そうでしたね、具体的には学校の授業内容やクラブ活動、どんなゲストスピーカーが来るのか、学校の特徴的なプログラム等も先に調べていたのでかなり楽でした。
Hiro
 そこまでやられているのはすごいです。ちなみに第二志望の学校に関しても同様の調査をされましたか?
TAD
 そうですね、第二志望の学校まではやりました。というのもやっぱりNUSが何故第一志望なのかというのは選択肢内の比較で言えるものだと思っていましたので。
Hiro Why NUSを考える過程で、他校の分析も必要と考えて調査されたということですね
TAD その通りです。

5. おわりに - そして話は私費MBA生の資金調達へ…

Hiro 我々から読者の方々にメッセージを伝えるとしたら、『社費選考の段階で「このMBAに行くんだ!」と断言できるようにしておくこと』でしょうか。理由としては二つあって、①社費選考の段階であれば芯のあるストーリーを作ることができ、かつ社費選考の突破確度もあがる。また、②受験最終プロセスのエッセー、インタビューの際にある程度楽をすることができる、というまとめになるかなと感じました。
TAD そうですね、しかもそこまでしたらおそらく社費が通らなかった場合は別の選択肢を取る心構えができると思います(笑)。社費選考に限ったことではありませんが、何ごともやりきることが大事ですね。
Hiro そうですね、そしたらその意気込みになった方向けに「最悪お金は何とかなる - 私費MBAファンディング」という形で私の経験をもとにした記事を出しましょうか。
TAD いいですね、じゃあもう早速それは次回やっちゃいましょうか。私本当にHiroさんがこの短期間でどうファンディングしたのか気になります(笑)。

ということで、次回は私Hiroが私費MBA留学の資金を工面した方法についてお話したいと思います。海外MBAに興味があるけど、お金が心配で一歩踏み出せない…という方に少しでも参考になる記事が書ければと思います。それでは、お楽しみに!

↓TADさんやHiroの自己紹介はこちらから!


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