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ソウルライクとは似て非なり『仁王2』感想

 ソウルライクと思って始めたらスタイリッシュハクスラアクションだった。
 基本的なシステムはソウルシリーズと共通している。スタミナ制、敵の攻撃をよく見て攻撃タイミングを計る戦法、マップを探索しショートカットを開拓して最後にボスを倒すマップ体験の構造などなど。
 この共通点はどのソウルライクでも挙げられるようなものである。重要になってくるのはこれを土台とし差別点となるシステムを載せることだ。
 仁王2においては気力ゲージ、残心、特技、武技・妖怪技、が主な差別点として機能している。機能しているゆえにソウルライクからはかなり離れたものに仕上がっている。
(妖怪化システムといういわゆるスーパーモードになれる要素もあるがゲームの根幹としては救済システムとして存在している面が大きいと考えているので取り上げない)

  • 気力ゲージ
     いわゆるスタミナゲージであり、かつ仁王2においてはブレイクゲージである。気力ゲージが続く限り行動を行えるが、無くなると息切れしてしばらく動けずに無防備な状態になる。この状態で強い攻撃を受けたりすると”組み討ち攻撃”となり強烈な一撃を加えられる。このシステムがプレイヤーとエネミーの共通のシステムであるのが重要なポイント。
     気力ゲージは攻撃、防御、回避で使用され少なくなる基本仕様に加えて、プレイヤーからエネミーへの攻撃の場合はエネミーの気力ゲージを
    減らすことが出来る。エネミーの気力ゲージが少なくなってきたのなら攻撃を行う大チャンスとなるわけだ。戦闘において攻撃を行うことで優位に立てるシステムが確立されている。
     既存ソウルライクよりアグレッシブに立ち回ることで有利になっていくため、搦め手でアイテムなどを使いつつ勝つよりもプレイヤースキルが高まることで相手の気力を削ってバッサバッサと斬り倒していくことが可能である。 

  • 残心
     前作に引き続き登場。攻撃後のタイミングでR1ボタンを押すと、押すタイミングに応じて消費した分の気力を一定程度取り戻せる。
     まさに仁王独特のシステム。攻撃の種別にもよるが最大で8割ほどは気力が戻ってくる。攻撃後のタイミングであるから、こちらの後隙のタイミングで行うことが余儀なくされるため、残心を狙っていたらエネミーの攻撃を食らっちゃってピンチだ!となる状況もある。
     押すタイミングをどうするのか。最大まで狙うか、それとも中くらいの回復量で我慢するか。こちらの後隙をどこまで出しておくかに駆け引きの要素を置いたのは上手い。
     ただし、操作自体はかなり忙しくなってきている。攻撃したらR1押してニュートラルな状態に戻るから次にこれを出して…ええとええとみたいなことになることはある。中盤入る頃にはその思考の緊張は慣れにより緩和されるが、より高いレベルで残心を含めた立ち回りをする場合はかなりのやりこみが必要だろう。攻撃一回一回にR1押したほうが気力回復が行えるため必須テクになっているからこそ、操作が忙しすぎないかと感じる時もあった。 

    • 特技
       パリィのことです。エネミーは気力が少なくなってくると赤く光って強い攻撃を出してくる。その攻撃の判定発生タイミングに合わせてR2+○を押すことで、一瞬だけ妖怪の姿になりパリィを行うことが出来る。成功するとエネミーに大きな気力ダメージ&妖力(後述の妖怪技を使う際に必要、特技でも妖力を使う)を大きく回復する。
       仁王2の特技はパリィの中でもどちらかというとSEKIRO的な体幹削りの要素が大きいのが良い。ソウルのパリィは成功すると、その瞬間にエネミーが致命の一撃を加えられるような無防備な状態になるが、それだとパリィを上手く行えるようになればなるほど、パリィからの致命の流れがダメージソースとして大きなものになるためそれだけやってればいいという状況が発生しうる。相対的に通常攻撃が弱くなってしまう。
       特技であれば成功時点でもダメージが発生はする。それよりも気力ゲージを削り、妖力を回復できるのが攻撃面で重要。特技成功からの通常攻撃で気力を削りきる場面も多い。これならば特技自体の重要性も通常攻撃の地位の低下も少なく済む。良いシステムになっている。

  • 妖怪技・武技
     妖怪技は妖力を使用して出すエネミーである妖怪の力を使って攻撃する特殊技。武技は武器ごとに用意されているコマンド技。
     妖怪技は1周目クリア時点だと乱戦時や強力なエネミーが出てきた時にラッシュをかけるお助け技として使用していた。やりこんでる人はコンボに組み込んで追撃をかけたりするようだが、お助け技としてかなり有用で助けられた面もある。
     重要なのは武技のほうで、こいつが仁王2の攻めでの優位獲得に一躍を買っている。仁王では上段、中段、下段の3種類の構えでモーションが変化する。3種の構えそれぞれでコマンド技が2~3種類ほどあり、納刀時の武技が存在する武器種もあるため戦闘中に多様な技を繰り出して攻めにいける。自分が二刀を使ってプレイする際の基本戦術を挙げる。
     基本は中段で武技『風神』を使いつつ気力を削り残心。ラッシュがかけられそうなら上段でダメージを狙うor中段のまま『風神』でさらなる気力ダメージを与えるor下段で攻撃しつつも様子見する。
     これが一番いい...わけはないだろうけど俺はこれでガリガリ攻めていくのが気持ち良かった。ここから更に武器変更なども組み合わせれば色んな動きが出来るだろう。1周目時点だとスキルポイントの制約、動き自体の慣れ具合などで武器2つを合わせた動きまで開拓することは困難で、どうしてもリーチ、気力削りの優位さ、ガード時の気力消費量などの武器性能での使い分けに収まってしまった。武技などを絡めた戦闘中の武器切り替えはやりこみが必須になってくるため、述べることは出来ないが動画サイトではアップされているため興味があるなら参照するといい。


 仁王2は上述したシステム面によって攻めによった作りになっているため戦闘においてはクリアした際の達成感よりも操作の快感の総量のほうが大きいいと感じた。気力ゲージを軸にスタミナゲージとブレイクゲージを一体化させている所や上中下段で分けてつかうことで複数の武技をセットできるようにしているのも操作の快感、戦闘の楽しさを増す重要なファクターとして機能しているのも好印象。
 フリープレイで手に入れたPSユーザーなども多かろうしぜひ一度はやってみて欲しいタイトル。


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