危機感に教えてもらう
人間の行動のきっかけは無数にあるが、行動が長続きする場合とすぐに終わる場合の2種類がある。両者を隔てるものは何なのか、私が思うに、「危機感の有無」というのが大きく関係している。
危機感と言っても「ちょっとやばいな」とか「このままだとやばいかもな」というレベルではまだ先延ばしにすることが自分は多い。「このままだとどん底か、あるいは死ぬ」という恐怖に伴う危機感が出てきたとき、自分でも驚くほどの行動力が出てくるのだ。第一線で活躍している経営者やアスリートの自伝などを読んでも、危機感を猛烈な行動力に変えている人が多い印象がある。
危機感に対する人間の敏感さはシステマの練習で実感することが多い。
例えば、あるセミナーでの話だ。二人組で行う練習で、片方がナイフを持ち、パートナーに近づく。もう片方は目を瞑り、ナイフが近づくのを感じる。そういうワークをやった。不思議なことに目を瞑っていても、ナイフに近づくと皮膚感覚がゾワゾワして、どの方向にあるのかわかるのだ。人間は危機感に凄く敏感に設計されている。そのことがよくわかるトレーニングだった。システマは一般人が危機対応の練習をするのに凄く良いと感じる。
今、私は無職で三十路前で彼女がおらず、貯金も少ない。だから危機感のトリガーが発動しやすいという意味では助かっている。ただ、今、私がそういう状況なのは「ちょっとやばいな」というときに対処することを怠ってきたからだと思うので、これからはなるべく早めに気付いて、対応するよう心掛けていこう。
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