脱マトリックス!理論と実践2020 (vol.22):体と感情・意識⑥〜腎・泌尿器
執筆:いち あまね
この時代の人類の進化の方向性として、はっきりとこの世界の仕組みを理解した上で、マトリックス空間を抜け出し、自分を超え、人間を超え、無限の可能性を発揮するクリエイターとして生きること。
そのための情報をお伝えしていきます。
身体の観察を通して、自分自身の感情や潜在意識のプログラムの発見のヒントとなるように、身体の各部分と関連しやすい感情や潜在意識についてご紹介しています。
今回は、腎です。
腎は、東洋医学的には、「腎臓」だけでなく、泌尿生殖器全般を指します。
性力や生命力に関わるため、生きる力にとってとても重要です。
感情としては「恐れ」に関連するので、腎疾患タイプの人はとても慎重派だったりしますが、エネルギーが充実していると好奇心旺盛にどんどん突き進んでいきます。
腎の生理的な機能と役割
腎臓から泌尿生殖器は、生理学的には尿を通じて体の老廃物を排泄し、体の水分(血液や体液)をコントロールしているので、心臓の活動や血圧などにも関連しています。
■解毒の要の臓器
毒素を無毒化する肝臓と連携し、最終的に体から毒素を出すのが腎臓の働きです。全身を巡り、毒や老廃物を回収した血液が腎臓に運ばれ、それを濾過して尿として排泄します。
動脈硬化に伴って腎不全は進行するので、年齢と共に少しずつ腎機能は衰えていきます。腎不全になると、尿と共に体の毒素や老廃物を排泄できなくなり、体は有毒な淀んだ沼に溺れたような状態になり、最終的には人工透析が必要になりますね。腎不全は、心不全と共に致命的な臓器の不全です。
■年齢と共に排尿トラブルが増加
腎臓で作られた尿は、尿管を通って膀胱に運ばれ、尿が一定量たまると尿道を通して体外に排泄されます。膀胱は風船のように膨らむ筋肉で、自律神経に支配されており、副交感神経が高まると筋肉が縮んで排尿が起こります。
歳を取ると神経系の連携が悪くなり、下半身の筋力の低下と共に排尿に関わる筋肉も衰えてきます。尿もれや尿意を感じると我慢できずに漏れてしまう過活動性膀胱なども起こりやすくなります。尿が全部出しきれなくもなるので膀胱炎にもなりやすくなります。
■「精」生命エネルギーの宿る場所
東洋医学的に、腎には「精」という生命エネルギーが蓄えられており、ここから、全身をめぐる気や血が生み出されていると考えられています。人の成長を促進し、性機能・生殖機能を維持する源になるのが精です。
年齢と共に、腎が衰える腎虚(じんきょ)の状態になることは精の不足を意味し、すなわち、老化となります。全身の細胞が生命力不足になるため、機能が低下しますし、精力も衰えて更年期障害や生殖器系のトラブルも起こりやすくなります。腎虚になると、早期の閉経や月経トラブル、男女ともに精力減退や不妊などが起こりやすくなります。
精を得るには2つのルートがあります。1つは、生まれながらに両親から受け継ぐ先天的な精。もう1つは、食べ物を通じて補われる後天的な精。
生まれつきの精は、人間が成長していくための生命力となりますが、これには個人差があります。成長や言葉の遅れなどにつながります。それを補うには、健康的で生命力のある食べ物を食べることが重要です。
腎の感情と意識、テーマ
◎腎臓・生命力
・意志力/決断力
・必要なものと不要なものの区別
・性
・恐れ
◎膀胱
・意志力/決断力
・手放す/解放する
・コントロールする
・性
・恐れ
■意志力や決断力
腎臓は、全身の働きの最終段階として、そのプロセスで生まれた毒素や老廃物を排泄します。一方で、体にとって必要な栄養素や水分を再吸収し、体内環境を一定に保つ働きがあります。必要なものは残し、不要なものを排泄することで、体のホメオスターシス(恒常性)を保ち、常に安定した状態でいられます。
腎虚の人は、自分にとって不要か必要かの判断が鈍り、意志を持って決定することができず、優柔不断になりがちです。決断力がなくなり、他人の意見に左右されて、他人に依存しがちにもなります。
一方で、エネルギーが充実していれば、生命力に溢れ、決断力を持って物事を進めていくことができます。余計なものを抱え込まずに手放すこともできますし、過去に執着せず、興味のままに新規開拓していくことも得意になります。
■生と死への欲動
精は、精力・性欲、そして官能性に関わります。腎は、東洋医学的には腎臓だけを意味するわけではなく、泌尿生殖器全般を意味しています。
性への欲動はリビドーと呼ばれますが、これは、生命力の源と考えられています。人は、リビドーと同時に、相反する死への欲動・タナトスを持ち、そのバランスは常に変化しています。生命力が高い人は往々にして精力も強く、その逆もまた然りです。
リビドーによって分離していた男女(陰陽)のエネルギーが一つになることが性行為ですが、これが極まることでオーガズムに至ります。この状態は、人間の肉体を超えてひとつに還ること、つまり死の体験と近しく、リビドーからタナトスへの転換、生=性が極まることで死に転換する特別な体験です。タントラ密教に伝わる秘儀も、性エネルギー(シャクティ)を用いて悟りの状態( サマディ)に至る方法であることも興味深い点です。
■恐れの感情
腎臓や膀胱は恐れの感情に関連します。五行で言えば、腎臓は水の陰、膀胱は水の陽に分類されます。
恐れは人間を生かすための根源的な感情です。死への恐れがあるから、危険を回避し、生命を維持することができます。これがないと平気で無謀なことをして生命を脅かしますから、肉体を維持して人生を全うするために必須の感情です。サバイバルするには、恐れが欠かせない感情です。
恐れが過ぎると、自分を脅かす外的な環境や周囲の人、軽度のストレスに対しても過敏になり、猜疑心が強くなったり、被害妄想に囚われたりするようになります。
成長のためには失敗やストレスも必要ですが、恐れが強過ぎると過度に批判を恐れて、石橋を叩いても渡らなくなります。過去に執着して手放すことができなくなると、前に進めなくなり、成長を阻みます。また、高所恐怖症や閉所恐怖症など、〇〇恐怖症の方も、腎虚であると起こりやすくなると考えられています。
腎は新しい時代を切り開くための生命力・創造力の源です。
2020年は、本当に大変な一年でしたが、これを踏まえて2021年から新しい時代を創る原動力にしていきたいですね。
良いお年をお迎えください。
(つづく)