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ZAMROCK Disc Guide レーベル編


先日発表されたTyler, The Creatorのアルバム「CHROMAKOPIA」の先行シングル“Noid”で、ZAMROCKの代表格Ngozi Familyがサンプリングされたことにより、世界的に注目度が高まっている(?)ZAMROCK。
ここ日本でも一気に知名度を上げたのではないでしょうか?(そんなことないか・・・)

そんな史上最も注目されている時なのに、日本語の文献すら無いというのがこの音楽の実情。
じゃあZAMROCK研究家の僕が、ディスクガイドを作っちゃおう!というシリーズ企画でございます。

ZAMROCK研究家を自称していただけなのに、最近実際に研究家として紹介されることもちらほらあり、「わーわー騒いでいたら本当に研究家になっちゃった人」みたいになってきました。
好きこそものの上手なれ。ですからね。


世界で最も稀少なZAMROCKのレコード。
そんなレコードのディスクガイド。
製本時の見出しは「絶対に手に入らないレコードのディスクガイド」とでもしておきましょうか。

ZAMROCKとはなんぞや?という方は、まずはこちらの記事をご覧ください。


そして前回の記事「ZAMROCK名盤10選」はこちら↓ ↓ ↓





〈ZAMROCK Disc Guide レーベル編〉

小さな小さなZAMROCKのシーンですが、もちろんそこにもレコード・レーベルが存在します。
ここでは70年代ザンビアの主要な音楽レーベルをご紹介。


Zambia Music Parlour

ZAMROCKシーンを代表する屈指の敏腕プロデューサーEdward Godfrey Khuzwayoが設立した、ザンビア随一の名門レーベル。The Tinkles - Chalo Kuwamaを皮切りに、Ngozi Family - Day Of Judgement、Witch - Introduction(再録ver.)、Amanaz - Africa、Rikki Ililonga - Zambiaなどの名盤を多数輩出。
ZAMROCKの最初期から、それが終焉を迎えた後のカリンデュラの時代まで、ザンビアの音楽シーンを支えたレーベルです。

ラベルのデザインは大まかに4種類ほど。
スタンダードなコウモリ型のラベルや、シングルだけに見られるポップなZMPのロゴをあしらったもの、同じくZMPのトライバルなデザインや、無地のラベルなど。



Tinklesの後期?シングルのみで見られるイラストも


「HAIRDRESSING SALOON AND MUSIC PARLOUR」
FAMと一緒じゃん!!!
と、白々しくリアクションしたが、実はhair & music parlour FAMの店名の「music parlour」の部分はここから来ている。




Zambezi

広大なアフリカ大陸で4番目の長さを誇るザンベジ川の名を冠したレーベル。
アルバム・リリース数は10枚ちょっとと少ないながら、Witch - Lazy Bones!!や、Salty Dog - Salty Dog、Broadway Quintet - Amalume (Lekani Mowa)、Crossbones - Wise Manなど、70年代ザンビアの名盤級作品がズラリ。
ラベルのデザインは前期と後期で2種類。
ザンベジ川沿岸の風景を描いたイラストの前期ラベルと、文字のロゴを全面的に掲げた後期ラベル。
後期ラベルはシングルのみのリリース。




Chris Editions

ZMPのEdward Khuzwayoに並ぶ、ザンビア屈指のプロデューサーChris Siwila Ndhlovuによるレーベル。
Ngozi Family - 45,000 Voltsや、Chrissy Zebby Tembo & Ngozi Family - My Ancestorsなど、Paul Ngozi関連作を多くリリース。
ラベルは大体4種類ほど。売れっ子Paul Ngoziの専用ラベルもある。
元々は家具屋だったそう。




Teal

南アフリカのレーベルで、近隣のザンビア、モザンビーク、タンザニアなどのリリースも手掛けていました。
Oscillations - I Can See It Comingや、Harry Mwale Experience - Harry Mwale Experience With Greg Miyandaなどがリリースされておりますが、このレーベルはシングル・オンリーのオブスキュアなミュージシャンのリリースが多いのも特徴です。
ザンビアで使われていたラベルは初期が青色のもの、後期が黄色のカモのラベル。




Kalimba

ZAMROCKシーンの終演後にザンビア国内で盛り上がった、カリンデュラと呼ばれる音楽を主にリリースしていたレーベル。
アルバム・リリースはなく、全て7"シングル盤。
リリースされたうちの9割以上がカリンデュラですが、Dr. FootswitchやMike Nyoniなど、ZAMROCK時代のミュージシャンの後期楽曲などもリリースされています。




Pathé

設立は19世紀というフランスの超老舗レーベルPathéのケニア支部。ZAMROCKでは、Musi-O-Tunyaの初期シングルを5〜6枚リリースしています。(PEA135はテストプレス止まり?)
※ごめんなさい。画像用意できませんでした・・・



その他Musi-O-TunyaのM.O.T. Records、Rikki IlilongaのSepiso Records、Keith MlevhuのMac Bulletなど、自主レーベルも存在します。



他にもユニークな自主レーベルがたくさん。
デザインを見ているだけでも楽しいね!



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hair & music parlour FAM
一階レコード店店主 兼 ZAMROCK研究家
DJ ton


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