短編 『You're mayor of the zone』
昔から小説が書きたかった。
昔、といったけれどそれ以上の足場をここに与えるつもりもとくにあるわけじゃない。自分の言動に対してあり様を説かれるのにはうんざりしていた。
僕は怠惰で、怠惰なまま小説を書いてみたかった。過去に僕が書いてきたものは、あまりにたくさんのものを欠いていて物語とは呼べない。例えばそこには会話文がなかった。だからある人物がいて、僕がその像を伝達しようといくら言葉を費やしても、それはいつも壁にピンで留められたポートレートのようなものになった。
僕は会話文