【parkERsの中のヒト】思ったことは「形」で表す。ものづくりを通して実感した喜び/クリエイティブ室 藤巻誉
バトンをつなぎお届けしているnoteオリジナル企画「parkERsの中のヒト」。「日常に公園のここちよさを。」をコンセプトに空間デザインを行なうparkERsのスタッフ、一人ひとりにクローズアップするシリーズ企画です。
前回のプランツコーディネーター花田さんからリクエストを受けて、今回は施工監理チームの藤巻誉(ふじまき たかし)さんに注目。
2006年パーク・コーポレーションに入社して以来、約14年間、parkERsの前身となるブランド時代からチームを支えてきた藤巻さん。どのような感性を持ち、parkERsの施工監理者として活躍しているのかご覧ください。※このシリーズでは、親しみを込めて敬称ありでご紹介させていただいています。
幼い頃から惹かれた、ものづくりの世界
「学校から帰ってきたら兄と一緒に粘土をいじることが多かったです。何を作ったかはさっぱり覚えてないけれど。」と笑う藤巻さん。中学校の美術教師だった父親が、教材で余った彫刻や粘土を持って帰ってきてくれることが多く、それを使って遊んでいたそう。ものづくりが好きなイメージは現在の印象そのものです。
インドア派なのかと思いきや、一方で公園で野球をして遊んだり、高校ではスキー部(新潟県出身)に所属するなど、アクティブな一面も。
高校ではスキー部に所属(写真左から2番目)
小学生時代は水泳で優秀だったため、水泳部の部長を務めていました。
「大会ではリレーの試合でアンカーをやらされることが多かったのですが、ひとつだけ問題が。息継ぎをするときに、どうしても笑顔になってしまい、笑いながら泳いでしまうんです。これにはよく怒られていました。
理由はわからないけれど、ただ楽しくて、笑っていたのだと思います。」
水泳部時代(写真左から2番目)
今もカメラを向けると満面の笑みで応えてくれたり、いるだけで場が和むような存在感のある藤巻さん。現在のイメージを彷彿とさせるエピソードを教えてくれました。
デザインの世界へ
好きだった「ものづくり」を仕事として経験
高校を卒業する時、将来は設計や施工関係の仕事がしたいという気持ちが強くなり、デッサンの教室に通いながらデザインの専門学校に進学。テキスタイル、グラフィックデザインなどの分野がある中、インテリア住宅分野を学びました。
デザインの専門学校を修了すると、町場の内装業者に入社。ここでも藤巻さんらしい会社の決め手がありました。
「当時はバブル景気に沸いていた時代でしたが、自分は華やかな世界には疎く、(自身が把握する中で)一番小さい会社に入れば最初から最後まで手掛けることができ、学べることが多いのではと考えたのが仕事選びの決め手でした。」
そこで当時西麻布にあった社員2〜3名規模の内装設計施工の会社を見つけて入社。いわゆる「店舗屋」で、店舗の図面を書いて現場に赴き、職人さんに指示を出しながら、時には自分でノコギリ片手に作業もするといったような、理想に近い働き方を実現しました。
プライベートではビリヤードをしたり、終業後に当時住んでいた川崎から東京湾を登って羽田のあたりまで行き、スズキの夜釣りに出かけるなど、かなりアクティブに過ごしていたそう。毎晩のように行っていた時期もあるというから驚きです。
「ビリヤードも釣りも、ローテクノロジーなメカニズムで遊べる、原始的な感じが好きでした。釣りは、もともとある自然のサイクルの一部に加わって楽しめる感じが好きなんだと思います。」
藤巻さんと言えば、社内からは「焚き火」という声が上がってきそうですが、焚き火が好きなのも「何万年もずっと営まれてきた当たり前のことを、最近やらなくなっただけなんだと思う。」と話してくれました。
レンガに穴を空け、魚が焼けるように手作り
自然体で過ごしているうちに、意図なく自然に触れる趣味が増えていった感じでしょうか。「人間は生物や生命への本能的な愛/欲求がある」という心理的傾向を指す『バイオフィリア』を昔から体現していたようにも思えます。
parkERsに入社を決めたきっかけは?
15〜6年間前職で働く中で、「青山フラワーマーケット」の内装工事にも携わっていました。一緒に仕事をするようになってから4〜5年経った頃、前職の代表が会社をたたむことを決断。そのタイミングで、現在のparkERsクリエイティブディレクターの城本さんに誘われ、パーク・コーポレーションに入社することに。
なぜパーク・コーポレーションへの入社を決めたのか伺ってみると意外な答えが返ってきました。
「当時表参道の本社に打合せでよく通っていましたが、終わって帰ろうとすると、いつもエレベーターまで来て『ありがとうございました』と頭を下げてくれました。業者も対等に扱ってくれるという社風が当時珍しく、いい会社だなと思ったのが一番の決め手だったと思います。」
parkERsの空間づくりを支えてくださる施工会社のみなさんとも家族ぐるみで良いお付き合いを続けている、藤巻さんらしい温かな理由がありました。
空間づくりを現場の力で支えていく
入社する時、代表に「言葉で伝えるのが下手な代わりに、思ったことを形にするのは会社の中でも5本の指に入ると思います」と伝えたという藤巻さん。
仲間を送迎する時などに作っていた思い出のうちわ。
店舗づくりの記念や、みんなでピクニックをした記念も形に!
parkERsで勤めている現在の施工監理という仕事は、施工会社を取りまとめて竣工までプロジェクトを監理するのが主な仕事ですが、現在の仕事をどのように捉えているのでしょうか?
「正直、内装設計をはじめから終わりまで自分で手がけていた頃に比べるとすごくやりたいことではないはずなのですが、"水"があっているような感覚があるんです。だから14年経った今もparkERsにいるのだと思います。」
デザイン・設計や植物、プロジェクトマネジメントなど、様々な分野のプロフェッショナルが集まり、専門性を融合させて仕事を進めるやり方が、期せずして合っていたそう。内装設計だけでなく、様々な分野からプロが集まり知恵やアイデアを集結させて行なう空間づくりはparkERsならではです。
「未来のことは、自分でも未知数。小さいチームだったわたしたちが、もしかしたら未来にはとんでもなく大規模な空間づくりを世界で手掛けているかもしれない。
入社して徐々に世の中のニーズが高まり会社が成長していくのを肌で感じたからこそ、7年前にできたparkERsがこの先どうなっていくのかワクワクしています。」
最後に...
今回のインタビューを通じて、度々でてきた「ものづくり」というキーワード。藤巻さんにとって「ものづくり」とは何かを聞いてみました。
「ものづくり=なかったものがあるようになって、誰かに喜ばれること」
「青山フラワーマーケット」の店舗内装の監理も務める藤巻さんは、壊れた棚を直したりちょっとした不具合を修正しに、現場に駆けつけることも多々あります。そんな時に、自分が対応したことがきっかけで誰かが喜んでくれることにやりがいを感じると話してくれました。
インタビュー中もふと気づくと、「ちょっと相談乗って欲しい...!」とオフィス備品のことで助けを求められていた藤巻さん。目の前のことに誠実に対応してくれ、周りの人を惹きつける人柄が垣間見えた瞬間でした。
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メールマガジンやホームページではあまり登場しないparkERsの裏側を支えるスタッフにも焦点を当てるこちらシリーズ企画。次はどんなメンバーにバトンが渡るのでしょうか?
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この記事を書いた人は
parkERs ブランドコミュニケーションチーム
森み
本編おまけ:「藤巻さんのもう一つの入社志望理由」
クリエイティブディレクター城本さんが当時カップ焼きそばにソースをかけた後、混ぜないで食べていたことに衝撃を受けた。
「世の中には自分と同じ考え方の人がいるんだ」という衝撃が走り、そんな同じ感覚を持っている人がいる会社はいいなと思ったのも決め手だったとか。
人生のヒントはどこに潜んでいるかわかりません。