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コロナとパーク ⑮ 『里山の祈り、あやいろさんの祈り』

日に日に感染者数の報告がなされてますが、感染者数を出してびびらせるようなことだけしかできない無能っぷり。自粛・自粛・自粛。旅しろ旅しろ旅しろ。メディアも都知事も同罪。自分の価値をあげる(自分の身を守る)ことしか考えられないマスメディアと政治家に付き合うのはもうごめんですね。政治は政治。個は個。ぼくらはぼくらができることを真面目に精一杯やるだけなのです。感染してもしなくても、やらなきゃいけないことはあんまり変わらないのです。

さて、アーティストとパークギャラリーの気持ちをポストカードでつなぐドネーションプロジェクト GIFTED 。参加作家の紹介を自身の instagram で行ってるのですが、作家の紹介の前置きが長くてうざいと好評なので、note に記録しています。

2020.07.27 Instagramより

ぼくの仕事のことを少し

前職は第一線で活躍するクリエイターやミュージシャン、アイドル、ファッションブランドを相手にスタイリッシュな仕事をするデザイン会社で、いつかぼくも独立して、そういう仕事をしていくんだろうと思っていたけれど、いつの間にか、山奥で猪を食べたり、滝ツボに落ちたり、金色に輝く麦畑や稲穂の海を目の前に立ち尽くしたり、蛍を捕まえたり、神輿を担いだり、羊を追いかけたりマムシから逃げたりするのが仕事になっていた(嗚呼いつの間に)。「何もない」と言われる場所に入っていき、そこに暮らす人と話をする。「何もなくないですよ」と言って、報酬をいただく(どんな仕事だよ)。独立してからもうすぐ8年。東京のスタジオや MacBook では生み出せない、自然がおりなすすばらしい景色や営みをたくさん見つめてきた。

そんな仕事をしてきたので、このコロナ禍で、いままで出会ってきたたくさんの人たちに想いを馳せる時間が増えた。あの人やあの人は元気かなと。

杉の山でチェーンソーをぶん回す杉山さん、滝の前でニカっと笑う発明王の小寺さん、話始めると止まらない喫茶店のけんじさん、こわいこわいと恐れられながらも、やさしい笑顔で接してくれた和菓子屋の近藤社長、水栗をむいてくれたけんじさん、唐津のうどんやのおばあちゃん、郁文堂の伸子さん。

多くの人は高齢で、心配になる。「何もなかった」はずのどの地域も、コロナが落ち着いたら、また行きたいなって思えるすてきな場所だ。霧の深い朝の茶畑で、胸いっぱいに空気を吸い込みたい。早く。

ぼくが仕事のフィールドにしてきた多くの場所は『里山』と言われるようなところ。人口も少なく、少子高齢化が進み、観光の資源こそないけれど、豊かな自然やそこに暮らす人たち独自の文化や営みが存在している。おいしい水や食べ物がある。かつて賑わいを見せていた町もあれば、昔からずっと変わらずそこにあるといった町もあった。田舎で生まれたぼくにとってはどこか懐かしく、あたたかい、そこにいるだけで気持ちが立ち上がっていくような場所。


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祈りを込める

34人目に声をあげてくれたのは、そんな美しい里山を力一杯に描くイラストレーターのあやいろさん。子どもが減っている里山の景色に、祈りを込めるように子どもを描くシリーズが高い評価を得ている。一見、いなたくなってしまいそうなモチーフをアイコニックに描くことで鮮やかに描き切っている。藤城清治的なノスタルジーが見えたと思ったら、横尾忠則的なサイケデリックが顔を出す。元気に走り回る子どもたちは、力強いようで、今にも神隠しにあってしまいそうなくらい寂しそう。見れば見るほど味わいが出てくる不思議なポップアート。

GIFTED ではじめましてでした。これを機にいろいろと関われたら嬉しいなって思いました。

あやいろさんの GIFTED
https://parkgifted.thebase.in/categories/2651495

あやいろさんのカードで、里山で暮らす知人に、手紙を書いてみようと思いました。

あやいろ
https://www.instagram.com/ayairoart

ポストカードの販売でコロナ禍のアーティストの活動を下支えするドネーションプロジェクト『GIFTED』。
加藤 淳也 プロフィール
1982年生まれ。2002年、下北沢のスズナリ横丁の小さなバーでバーテンダーをやりながらライブハウスのスタッフを兼任。数々のライブイベントのオーガナイザーを務めながら音楽レーベルを立ち上げる。2005年、写真家やアートディレクターが所属するエージェントに勤務。第一線の広告の現場で、制作のノウハウを学ぶ。2008年、ウェブメディアやギャラリーを運営するデザイン会社へ転職。ディレクターとして2012年に独立。以後、クリエイティブな機能を持つアートギャラリー PARK GALLERY として、実店舗を東京・末広町で運営しつつ、広告制作や本の編集ディレクションを手がけている。ラップユニット WEEKEND としてアルバムを2枚リリース(2012年に解散)。2016年より、毎年神奈川県で大豆の農業体験イベントを運営。

加藤 淳也 instagram
https://www.instagram.com/junyakato_parkgallery/
ネットラジオはじめました
https://youtu.be/lPiPHjCaPmc



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