【 ZINE REVIEW 】 COLLECTIVE エントリー ㉝ 鱧 『SHY』(滋賀県彦根市)
COLLECTIVE の醍醐味はやはり東京以外の地域からの申し込みがあった時のシンクロ感ですよね(東京のひとたちすまない)。縁を感じざるを得ない。行ったことある街も、そうではない街も、タッチした瞬間に景色が広がる感じ。例えば滋賀だったら、10年くらい前に、海みたいに大きな湖をぼうっと特急の車窓からビール飲みながら眺めてた記憶が蘇ります。本当に最初は海だと思った。『雷鳥』っていう特急だったな。いい名前の電車。いい旅でした。
編集者として東京以外のところに呼んでもらって仕事をするようになり、いろいろな地域を思い出すことができる。各地域から届いた ZINE にタッチして、その土地土地のことに思いを馳せるのも、COLLECTIVE の遊び方の1つかと思います。みんなの中で滋賀はどういった街ですか?
今日は滋賀県から届いた ZINE を紹介します。
はずかしがり屋なあなたに贈る
ちょっと目立ちたがり屋なブランドです
2020年の夏。つまりこの夏に本格始動したクリエイティブ・ユニット『鱧(はも)』のふたり。今回エントリーしてくれたのは「モノをつくって ZINE にする」というコンセプトで昨年実験的に制作した処女 ZINE『SHY』。はずかしがりを意味する『SHY』をテーマに T シャツブランドを立ち上げ。この ZINE は『SHY』のルックブック的な位置づけになっております。三角コーンで顔を隠したり、傘や椅子、本、両手なんかで顔を隠したり、挙げ句の果てにコインランドリーに頭を突っ込んだり、とにかくシャイな瞬間がユーモアたっぷりに表現されていて、ページをめくると楽しい気持ちになります。撮影のロケーションも滋賀なのかと思うと、その土地の空気感を想像するだけでおもしろい。途中に背負っているのは海?それとも湖?だろうか。
自分のイラストやデザインで Tシャツを作ってネットで販売っていうひとは多いと思うけれど、やはり SNS だけで宣伝して広めるってなかなか難しい。データ入稿して在庫を抱えずに1点からノベルティを作れるサービス?みたいなものもあるみたいだけれど、着心地とか、生地の丈夫さとか、そういった『モノ』を確かめずに、選ばずに、惰性でグッズを売りつけるっていうのは僕は嫌いで、そんな時代に、こういった本を通じて『モノ』としてぬくもりや愛着を伝えてくれる人がいるっていいなって思います。楽しみながら作ってる感じが伝わってきて、「ものづくりってこうだよな」っていう原点に立ちかえれる気がしました。フィルムの使い方も GOOD。見習いたいです。
滋賀の話をしましょう。ぜひ会場で。
ちなみに、新作「かいものぶくろ」も気になります。楽しい。
レビュー by 加藤 淳也(PARK GALLERY)
作家名:鱧(滋賀県彦根市)
モノをつくってZINEにしてます。鱧(hamo)です。
滋賀産の2人が滋賀にて、2020年夏より本格的に活動しております。
今回のZINEは、去年に実験的に制作した私たちの処女作です。
ZINEに出てくるグッズはhamo.theshop.jpにて販売もしています。
https://www.instagram.com/hamohamochan
【 街の魅力 】
時間の流れがゆったりとしています、ふと現れる琵琶湖にも癒されます。
【 街のオススメ 】
① CARO ANGELO(セレクト / フラワーショップ) ... 生花もきれいですがドライフラワーの豊富さにも驚きます。また、2階のセレクトショップでは一期一会のような出会いもあり、行くたびに毎回ワクワクします。
http://www.tocaku.jp
② 半月舎(古本屋) ... 商店街の一角にある古本とデザインを扱うお店です。こじんまりとしたスペースにたくさんの本が所狭しと並んでいる姿は、普段本を読まない私でもワクワクします。暖かいレトロな雰囲気も最高です。VOID A PARTという彦根のカフェにも本を提供しておられます。
http://hangetsusha.ready.jp
③ & Anne(洋菓子/書店/ギャラリー) ... 半月舎の近くにあるお店です。ここの洋菓子はどれも絶品です。パンも美味しい。また洋菓子店としては珍しくデザインや建築にまつわる本もたくさん置いてあります。珍しい文房具などもあり、文房具好きは楽しいこと間違いなしです。
http://www.and-anne.com
【 同じ地域で活動するひと 】
南 政宏 / デザイナー
https://masahiro-minami.com
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