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コロナと『さがごこち』

先日出版された佐賀の日常の魅力を探す旅のフォトガイドブック『さがごこち』。写真家の MOTOKO さんが撮り下ろした佐賀の日常がうつくしい一冊。

『さがごこち』と名付けられた、この一冊の本を片手に、佐賀県を旅されてみてください。ー 岸田繁(くるり)

編集長として、取材に応じてくれたいくつかの人に会いに行って本を手渡しする佐賀の旅、というのを予定していたんですがコロナ禍でもちろん自粛。
本誌にも登場する旅館『大村屋』の宿泊チケットを握り締めながら、いつかいつかと、もどかしく感じていたら出版社の青幻舎から「献本して欲しいと言ってる方が」との連絡が。

詳しく聞いてみれば、唐津で偶然訪れた立ち食いうどん屋さんの『鶴つる』さんから。

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お礼と説明をかねて折り返しの電話してみると、あの元気なおばちゃんの第一声『加藤さん!連絡待ってたの!』と。

聞いてみると、最近『さがごこち』を見たと行った人が頻繁にうどんを食べに来て、本の話をしてくれるらしく、常連さんからも写真見たよと声がかかるそう。あるお客さんは「いつか本に載ってる場所に行けたら」と車に『さがごこち』を積んで、佐賀の旅をしていたらしく「本に書いてある通り本当においしい!」と帰ってったみたい。それがうれしくて、思わず出版社に電話してしまったといういきさつ。

「店に置く用に1冊送ってはもらえないかね」
(自宅用と息子用のはもう購入済みとのこと)

というので、直接渡すのは先になりそうなので郵送しますねと伝えると、大喜びで『ゆずこしょう』と交換で!と。お店で大人気のやくみらしく、それを送ってくれるそう。

やっとお礼を言えてよかったばってん!今度来たらうんとおいしいもの食べさせるから!

と、電話はおわり。

自分たちが作ったものがこんな風に喜ばれてると思うと、感動でしばらく電話を置けずにいた。

記録に残るいい写真、思い出に残るまっすぐな言葉。それが誰かを喜ばせるんだという基本に立ち返った気持ちです。

コロナ禍でも、作ったものは届く。思いも届く。会えるとかそういう前の大切なこと。

またいつか旅するような仕事がしたいな。


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写真はもちろん MOTOKO さん
ー『さがごこち』本編より

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