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ON THE WAY TO PARK #009 『完全現地仕様!こってり、がっつり系ベジカレー』 (ベジキッチン)

ベジタリアンメニューをわざわざ食べたい、非菜食主義者はあまりいないのでは……?

私は肉も魚も大好きなので、わざわざヴィーガンレストランを探すこともないし、日頃代用肉を調べることもない。ただ、広い世界には様々な理由で肉を使わない料理があることも確かで、そのクオラリティは確かに肉なしでも充分に欲を満たしてくれるものも少なくない。

『PARK GALLERY』から歩いて15分。少し遠いけど行ってほしいのがベジカレーの名店『ベジキッチン』だ。ベジカレーと言いつつ、流行りのビーガンフードではない。ここで楽しめるのは、根本的にインドの菜食主義者が現地で食べているものを出している、伝統的なインド料理の一形態だ。

特筆したいのは、そのこってりとした味わい。肉を使わずにこんなに濃厚な旨味が出せることに驚かされる。インド式チーズ(ヴィーガンではないので乳製品は使われる)を使ったホウレンホウのカレーに至ってはほとんどシチューのようなマイルドでとろみのある味わい。パラパラしたバスマティライスに濃い味のカレーがよく合う。

店内はテレビが爆音で流れていて、店員さんの友人がたむろしていたり、愛想もあまりよくなかったり……。営業中なんだか休憩中なんだかわからない雰囲気は、一瞬ここが日本なのかわからなくなる。

そんな雰囲気込みで現地仕様のカレーは、文化体験としての満足度も高い。今日はカレーでも食べたいなと思ったときに、選択肢の一つとしてぜひ考えてみてほしい。外食ならではの楽しみとして、自分では真似できないものを食べるのもは一つだ。ベジタリアンの作るこってりメニュー、日頃肉を食べる人にこそ新鮮なはずだから。

ベジキッチン
〒110-0016 東京都台東区台東3丁目44−8

イラスト:あんずひつじ

ivy(アイビー)
東京・外神田を拠点に活動。編集・ライター。『ANTENNA』の編集部に在籍する他、カルチャー系の媒体を中心に執筆を手掛ける。あまり役に立たない本、後ろ向きな音楽、胡散臭いメガネ、ジジ臭い服、だらしない酒、意味のなさそうな旅、苦い珈琲を愛する。旅の目的地は、何もないけれど何かが起きる場所。
https://www.instagram.com/ivy.bayside

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